犬の脱毛|加齢によるもの?病気?
わんちゃんも人と同じように、高齢になると毛の色が変化したり薄くなったりします。これは生理的なものですが、中には病的に脱毛が起こってしまうことがあります。
今回は病的な脱毛について詳しくお話していきます。
脱毛の種類
脱毛と一概に言っても、痒みを伴うものと、痒みを伴わないものに大きく分かれます。
①痒みを伴う脱毛
⑴感染性 ➡外部寄生虫(ノミ・ダニ)、細菌、真菌(皮膚糸状菌) など
⑵非感染性 ➡アトピー、アレルギー など
②痒みを伴わない脱毛
⑴左右対称性・・・内分泌疾患(ホルモン疾患) など
⑵左右非対称性・・・腫瘍性疾患、虚血性疾患、遺伝的要因 など
痒み(皮膚炎)を伴わない脱毛の原因として、内分泌疾患(ホルモン疾患)が代表的です。甲状腺機能亢進/低下症、副腎皮質機能亢進症、性ホルモン異常などが挙げられます。

脱毛がみられたときに行う検査
脱毛がある場合は、以下の検査を行い診断を進めていきます。
①抜毛検査
病変の中心部と辺縁部の毛を抜いて顕微鏡で見る検査です。この検査では主に毛根と毛先を観察します。
毛根は主に毛周期の観察を行います。毛根は大きく休止期と成長期に分かれており、休止期主体であれば今後毛が生えてこない可能性、つまりは内因性の脱毛の可能性があります。しかし、柴犬など元々休止期毛が大半を占める犬種も存在し、評価に値しないこともあります。
毛先は、裂毛かどうかを観察します。裂毛とは切れている毛のことを指し、痒みや擦れなどの外因性の脱毛である可能性が高いです。

②皮膚掻把検査
皮膚を専用の器具で少し削り、皮膚の内部まで観察する検査です。これでは皮膚内に寄生するダニ(浅部:ミミダニ、ツメダニ 深部:ニキビダニ)を検出するために行います。
③皮膚細胞診
皮膚にセロハンテープやスライドガラスを押し当て、細胞や細菌の観察を行います。
④ウッド灯検査
皮膚糸状菌という真菌(カビ)の検出を行う検査です。ライトを当てると、真菌感染している部分が黄緑色に光ります。特に子猫などの免疫の不十分な子で悪化することが多く、確定診断には次に紹介する真菌培養検査が必要です。

⑤真菌培養検査
先述のウッド灯検査で真菌感染が疑われる場合に行うことが多いです。毛を抜いて毛根に感染している真菌を培養する検査です。

このように、「脱毛」と言っても様々な原因があり、その原因を突き止めるのにも様々な検査が必要になります。皮膚だけの問題ではなく、ホルモン疾患などの全身性疾患が隠れている可能性もあります。
特に脱毛だけでなく、「最近お水をよく飲むようになった」「食事量を増やしていないのに太ってきた」「年のせいかずっと寝ている」などの症状が付随している場合は特に全身疾患の可能性が高くなるので、少しでも気になる症状がある場合はお気軽にお尋ねいただければと思います。
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