ご予約はこちら
045-932-5151
  • ホーム
  • 症例
  • 外科手術
  • 副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~検査・診断編~
2025年10月28日

副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~検査・診断編~

こちらの記事では副腎腫瘍の症例での必要な検査や診断について解説していきます。

副腎腫瘍では診断するためには様々な検査が必要になってきます。

ぜひ最後までお読みいただいて参考にしてください。

 

必要な検査および診断は?

 

1. 画像検査

 

腹部超音波検査

副腎の大きさや形などを把握する検査です。比較的容易な検査であり、腹部超音波検査で副腎腫瘍が見つかることが多いです。副腎腫大が片側の場合は副腎腫瘍、両側の場合は下垂体腫瘍の可能性が高いとされています。

 

CT検査

麻酔が必要ですが、超音波検査よりも詳細に、副腎の大きさや形、周囲の血管との位置関係や浸潤の有無の判定が可能です。手術計画を立案するうえで必要不可欠な検査であり、造影CT検査は腫瘍の種類の鑑別に役立つ場合があります。

 

2. 内分泌検査

 

副腎腫瘍にはホルモンを過剰に産生する機能性腫瘍とホルモンを産生しない非機能性腫瘍があります。それらを鑑別するために内分泌検査が行われます。

ACTH負荷試験、低用量デキサメサゾン抑制試験(LDDST)

コルチゾールの産生異常を評価する血液検査です。数値が高ければ、機能性腫瘍が疑われます。

 

尿コルチゾール・クレアチニン比(UCC)

血中のコルチゾールの一部は尿に排泄されるため、尿検査でコルチゾール過剰を評価できる場合があります。

 

高容量デキサメサゾン抑制試験(HDDST)

副腎腫大が下垂体性か副腎性かを判断するために用いられる血液検査です。

 

※これらの検査は診断に役立つ可能性がありますが、確定診断には組織病理検査が必要です。

 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

副腎腫瘍についてはこちらのリンクからそれぞれのページに飛べますのでご参考にしてください。

 

副腎腫瘍とは?

よく見られる症状について

治療について

その他の記事

  • 肺高血圧症

    今回の症例は『肺高血圧症(pulmonary hypertension: PH)』です。
    肺高血圧症は肺動脈圧の上昇を主として、様々な疾患から2次的に生じることの多い…

    5年前
  • 内視鏡で誤食した釣り針を摘出

    釣り針を食べてしまったとの事で来院した7カ月のワンちゃん。 X線検査を実施すると胃の中に釣り針が・・・。 釣り針のような尖ったものは…

    3年前
  • 犬・猫の去勢手術

    【去勢手術のタイミングは?】 去勢手術をするにあたって、この時期・この年齢に必ず受けないといけないというものはございません。しかし、子犬・子猫ちゃんの場合は、性成熟を…

    2年前
  • 肺高血圧症

    今回の症例は『肺高血圧症(pulmonary hypertension: PH)』です。
    肺高血圧症は肺動脈圧の上昇を主として、様々な疾患から2次的に生じることの多い…

    5年前
  • 猫の乳腺腫瘍

     猫の乳腺腫瘍は犬の乳腺腫瘍と比較して悪性度が高く、おおよそ80%が悪性の癌であると言われています。雌猫に発生する腫瘍のうち17%が乳腺腫瘍であり、比較的発生率の多い腫瘍で…

    10か月前
  • アレルギー食|たくさんありすぎてどれを選んでいいか分からない?種類と使い分けについて

    ペットショップや薬局のペットフードコーナーで「アレルギー体質の子向け」と書かれたフードを見かけたり、獣医さんから「アレルギーかも」と言われたことはありますか? アレル…

    4か月前
  • 猫の盲腸腺癌

    猫の体重減少には様々な原因があります。甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病や腫瘍などが代表的な疾患です。特に、このような病気は急激に体調に変化をもたらすわけではなく、ゆっく…

    3年前
  • 腫瘍科

     獣医療の発展に伴いペットの長寿化が進み、ペットの死因でも悪性腫瘍(ガン)が上位を占めるようになってきました。   犬の平均寿命 14.76 歳、猫の平…

    2年前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    2年前
  • 犬アトピー性皮膚炎|病態について

    アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…

    1年前