2025年11月11日
犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~治療編~
こちらの記事では副腎腫瘍の症例での必要な治療について解説していきます。
副腎腫瘍の治療では大きく外科治療と内科治療に大きく分けられます。
それぞれの治療法を解説しますので、ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてください。
治療法は?
1. 外科的治療(副腎摘出術)
外科的治療が第1選択となります。腫瘍が限局しており転移や周囲組織への浸潤がなければ根治が期待できる唯一の方法です。
⇩実際の症例の写真です
副腎は脂肪組織に覆われていることが多く、その奥に腎動静脈や横隔腹静脈など重要な血管が走行しています。これらの構造を損傷しないように慎重に剥離しながら副腎を露出し摘出していきます。


2.放射線治療
副腎腫瘍は外科切除が第1選択ですが、大きさや位置、血管浸潤により手術が困難な場合があります。外科が適応できない症例や高リスク症例において放射線治療が適応になる場合があります。
定位放射線治療(SBRT:Stereotactic body radiation therapy)
腫瘍に対して高線量を短期間で照射し、周囲の正常組織への線量を最小限に抑えることができます。特に直径2㎝以上の副腎腫瘍や外科適応外の症例で有効とされています。
3.内科治療
腫瘍が切除不能な場合や緩和目的で内科治療を行う場合があります。主にホルモンの過剰分泌を抑制する薬物(ミトタンやトリロスタン)を使用し、副腎皮質機能を抑制します。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
副腎腫瘍についてはこちらのリンクからそれぞれのページに飛べますのでご参考にしてください。
▼ 副腎腫瘍とは?
その他の記事
-
腹腔鏡下にてシャント血管結紮術を実施した犬の1例
先天性門脈体循環シャントとは、主に若齢の犬や猫で稀に認められる病気です。名前の通り先天的(生まれつき)な病気で、肝臓に流入する血管(門脈)と全身循環(静脈)の間に異常な血…
2か月前 -
甲状腺腺腫および肺腺癌に対して外科的介入を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説
” 最近食欲はあるのに体重は減ってきている ” ” 落ち着きがなくなり、攻撃的になったり、夜中に鳴くようになった ” このような症状が認められることはありま…
9か月前
-
肝生検
健康診断で『肝臓の数値が高いですね』と言われたことや過去に『黄疸があり大変厳しい病気です』と動物病院で診断されたことはありませんか? 猫ちゃんの肝臓の病気は栄養性、感…
6年前 -
犬の瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは? | 実際の手術写真を使って解説
瞬膜腺とは内眼角側にあるT字型の軟骨を支えに存在しています。この瞬膜は眼球の物理的な保護、眼脂の除去、涙を眼球に広げてくれるなどの働きがあり、瞬膜の裏側に存在するのが瞬膜腺…
1年前 -
犬の乳腺腫瘍
犬の乳腺腫瘍とは、雌犬で一般的に認められる腫瘍であり、雌犬の全腫瘍中52%を占め、約半数が悪性です。臨床徴候としては乳腺内に単一または多発性に結節を認め、悪性の場合は急速…
3年前 -
気管支鏡を実施した猫の症例
呼吸器疾患に対する検査にはX線検査やCT検査等の画像診断に加えて、血液検査(動脈血液ガス分析)や気管支鏡検査、肺生検(病理検査)などが挙げられます。消化管や肝臓などの他の…
4年前 -
犬アトピー性皮膚炎|病態について
アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…
2年前 -
全耳道切除・鼓室法切開
慢性外耳炎・中耳炎 慢性外耳炎は、日常の診療でよく遭遇する疾患です。この疾患はどの犬種にも生じますが、特にアメリカン・コッカー・スパニエルやシーズーなど原発性脂漏症…
4年前 -
犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~症状編~
こちらの記事では甲状腺機能低下症の症例で認められやすい症状について解説していきます。 甲状腺ホルモンは全身的に作用するため、症状も様々なものが認められます。 …
10か月前 -
猫の心筋症:肥大型心筋症(HCM)
心筋症には4つの代表的な分類が存在します。①肥大型心筋症(HCM)、②拘束型心筋症(RCM)、③拡張型心筋症(DCM)、④不整脈源生右室心筋症(ARVC)の4つに分類されて…
3年前
