ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2026年10月14日

眼球メラノサイトーマに対して眼球摘出を実施した犬の1症例

最近眼が充血している、眼脂が出てくるなどの症状はありませんか?もしかしたら、目の腫瘍が隠れている可能性もあります。

眼球や眼球内にできる腫瘍は確認がしづらく、見つけた場合にはすでに大きくなっていることがあります。また、見た目では良性と悪性の区別が難しく、根治を目的とする場合は外科手術が必要となります。

今回は眼球に腫瘍ができてしまった犬の症例をご紹介します。

📌目次

症例情報

症例は9歳3カ月のラブラドール・レトリーバーの男の子です。以前から眼に腫瘍は認められていましたが、腫瘍自体も大きくなり、QOLを上げる目的で眼球摘出を実施することとなりました。

外豹

検査結果

超音波検査にて眼内を観察しましたが、眼球内は腫瘍により構造が異常になっているのが認められました。

眼の超音波検査

実際の手術写真

ここからは実際の手術写真を用いて手術内容を簡潔に載せていきます。

出血なども認められるため、血が苦手な方はご遠慮下さい。

苦手な方はこちらから結果のページまで飛べます⇨こちら(病理組織学的検査の結果まで飛びます)

手術写真-1
手術写真-2

病理組織学的検査結果

病理組織学的検査の結果では、眼球メラノサイトーマと診断されました。メラノサイトーマはメラニン色素産生細胞(メラノサイト)由来の良性腫瘍とされています。大部分のメラノサイトーマは緩徐に成長することが多いですが、悪性転化を起こしたり、転移を起こすこともあるため注意が必要となります。

病理組織学的検査の結果

まとめ

この症例は糖尿病も併発していたため、術後に創部の感染を起こしたりしましたが、現在も良好な経過を辿っています。眼球には、悪性の腫瘍もできることもあるため注意が必要です。また、腫瘍には予防法はないため、早期発見・早期治療が最も大切になります。

何か眼がおかしいなと思った場合はお近くの動物病院をすぐ受診するようにしましょう。

他の腫瘍症例について⇨こちらから

他の眼科症例について⇨こちらから

Q&A

Q. 眼の腫瘍が出来たら治りますか?

A. 良性のものであれば、適切な時期での外科手術により根治が可能となります。悪性腫瘍の場合は根治が難しく、術後も化学療法などが必要なことがあります。

Q. 治療法にはどのようなものがありますか?

A. 腫瘍に対する治療としては、根治を目的とする場合には外科手術が、状況によっては化学療法が選択される場合があります。

Q. 治療をしなかった場合はどうなりますか?

A. 腫瘍が増大することにより、眼が閉じれなくなってしまったり、腫瘍による圧迫により、眼圧が上昇したり痛みや不快感を伴うことがあります。

Q. 治療したら再発しませんか?

A. 完全切除ができていれば再発の可能性は低いですが、不完全な場合は再発の可能性があります。

 

Q. 治療すると見た目は変わりますか?

A. 眼球摘出後は、眼を閉じたような見た目に変化します。多くの子は術後も気にすることはなく通常通り生活できる子がほとんどです。

その他の記事

  • 内視鏡 異物除去

    内視鏡症例をご紹介いたします。 果物の種を飲み込んでしまったワンちゃんで内視鏡によって摘出を行いました。 異物、誤食の中で桃の種など果物の種は高確率に腸…

    6年前
  • 副腎腫瘍・副腎腺腫摘出

    副腎腫瘍は当院で手術が可能な腫瘍です。この腫瘍はその特性上   ①腫瘍の分類 ②副腎皮質機能亢進症の有無 ③血管への浸潤や位置関係   …

    3年前
  • ”麻酔前検査”をお勧めしています

    手術をするにあたって、人の場合と同様に犬ちゃん猫ちゃんにも全身麻酔をかける必要があります。麻酔前検査では、この全身麻酔が安全にかけられるかどうかを評価するための検査となり…

    3年前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    3年前
  • 副腎腫瘍

    副腎腫瘍にはいくつか分類があり、その由来として副腎皮質由来か副腎髄質由来かで分けられ、ホルモンを実際に産生・分泌するかどうかで機能性のものと非機能性のものに分けられます。副…

    7年前
  • 犬の尿石症について ~症状や治療法について説明します~ 

    尿石症とは?

    尿石症とは、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路のいずれかの部位に結石ができる病気です。結石が存在する部位によって、…

    1年前
  • 高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫

    消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。   症例 猫 雑…

    2年前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    3年前
  • 副腎皮質機能低下症(アジソン病)について解説 | 最近いつもより元気や食欲がないは病気のサインかも?~検査・診断編~

    こちらの記事では副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症状について解説していきます。 副腎皮質機能低下症(アジソン病)は特徴的な外豹の変化がないため、検査が重要となって…

    11か月前
  • 犬と猫のてんかん発作について | その症状もしかしたら発作ではないですか?

    "てんかん"と聞くと、発作が起きて意識を失ったり、バタバタ泳いだりするイメージがありますが、てんかんにも様々な種類があります。中にはてんかん発作だと思っていなかったけど、…

    7か月前