ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
  • ホーム
  • 症例
  • 麻酔科
  • 酸素中毒とは? | 酸素濃度は高ければいいわけではない!気を付けたい酸素中毒について
2022年9月20日

酸素中毒とは? | 酸素濃度は高ければいいわけではない!気を付けたい酸素中毒について

皆さんは “酸素中毒” というものをご存じでしょうか。スキューバダイビングなどで酸素ボンベを使ったことがある方は耳にされたことがあるかもしれませんが、実は酸素にも中毒があります。

ここではこの “酸素中毒” について解説していきたいと思います。

 

酸素中毒とは…?

空気中には酸素が約21%含まれており、酸素が呼吸によって体に取り込まれると、その一部は活性酸素という物質に変化します。これは有害なものですが、私たちの体には活性酸素から身を守るための防御能力がちゃんと備わっていますので、普段生活する分には何の問題もありません。しかし私たちの防御能力を超えた量の活性酸素が産生されてしまうと、神経や肺を障害したり、遺伝子に傷をつけて癌の原因になってしまうことがあります。これを “酸素中毒” と呼びます。

 

麻酔における酸素濃度について

獣医療においては、手術の際、麻酔により呼吸が抑制されてしまうため、酸欠にならないように高濃度の酸素を嗅がせます。しかし長時間高濃度の酸素を吸い続けると、必然的に活性酸素の量も増えて体の防御能力を超えてしまい、 “酸素中毒” になってしまいます。また、空気の中には酸素以外に窒素という物質が含まれていますが、これは肺(肺胞)を膨らませる役割を担っています。100%酸素のみを吸っていると、この中に窒素は含まれないので徐々に肺が膨らまなくなり、呼吸ができなくなってしまいます。

 

 

酸素濃度はどれくらいが良いのか?

それでは酸素濃度は何%であれば安全なのか、ですが、60%以下であれば長時間の酸素吸入でも安全とされています。

当院のエアーコンプレッサ。酸素と空気を混ぜることで、酸素濃度を自由に調節することができます。  

まとめ

当院では酸素濃度の調節が可能な設備を備えており、避妊・去勢手術だけでなく、短頭種さん(パグやフレンチブルドッグ等)や呼吸器に問題がある子の手術でも、酸素中毒などの呼吸器トラブルのリスクを最小限に手術を行うことができるのでご安心ください。

⇨当院の麻酔科についてはこちらから

その他の記事

  • 右骨盤部分切除および断脚を実施した犬の1例を紹介します

    四肢(足)に発生する腫瘍は悪性のものが多く、大型犬の中高齢で特に多く見られ、急速に進行していくのが特徴です。症状としては足の腫れや跛行(びっこ)が主な症状になります。 …

    6か月前
  • 心室中隔欠損症(VSD)

     心臓は、様々な臓器に酸素を供給するために血液を送り出す器官です。  全身に酸素を供給した血液(=酸素が少ない血液。青い部分)を取り込んで、肺で酸素を取り込んだ血液(…

    3年前
  • 犬の股関節脱臼の外科的整復(大腿骨頭切除)

    犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主…

    2年前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    3年前
  • 角膜疾患(潰瘍性角膜炎)

    角膜疾患とは、角膜、いわゆる黒目の部分に起こる疾患を指します。角膜疾患では「目を開けずらそう」「涙や目ヤニの量が多い」「まぶしそうにしている」という症状がよく見られます。 …

    3年前
  • 犬と猫の予防接種の重要性について

    愛犬や愛猫の健康を守るために、予防接種はとても大切です。 予防接種は、犬や猫の健康を守るだけでなく人にも影響を及ぼす感染症を防ぐ重要な役割を果たします。 …

    2年前
  • 全耳道切除・鼓室法切開

    慢性外耳炎・中耳炎  慢性外耳炎は、日常の診療でよく遭遇する疾患です。この疾患はどの犬種にも生じますが、特にアメリカン・コッカー・スパニエルやシーズーなど原発性脂漏症…

    4年前
  • 熱中症

    熱中症とは? 熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱が…

    1年前
  • 膝蓋骨脱臼の整復

     膝蓋骨脱臼は小型犬に多い整形疾患です。膝蓋骨が大腿骨の滑車溝から外れてしまうことで膝関節伸展機構が正常に機能せず、膝をうまく伸ばせない状態になってしまいます。典型的な臨床…

    3年前
  • 犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

    犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)   僧帽弁閉鎖不全症(以下 MMVD)は犬の心臓病の代表的な疾患です。犬の心臓の構造は人と類似しており、2心房2心室で…

    3年前