ご予約はこちら
045-932-5151
2023年11月27日

犬・猫の去勢手術

【去勢手術のタイミングは?】

去勢手術をするにあたって、この時期・この年齢に必ず受けないといけないというものはございません。しかし、子犬・子猫ちゃんの場合は、性成熟をすることで問題行動が出てきてしまうため、性成熟をする前の生後6か月前後を目安に手術をされることをお勧めしております。

 

去勢手術の適切な時期には個体差がありますので獣医師にご相談下さい。 

 

【手術様式】

<犬の去勢手術>

初めに片側の精巣を用手にて陰茎尾側部に牽引後、精巣直上部に切開を加えます。

総鞘膜まで切開し、中の精巣を露出させます。

 

精巣上体部に付着している総鞘膜をモスキート鉗子にて分離し、露出した精巣を体外に牽引します。

精巣動静脈と精管を2本まとめて3カ所結紮し、結紮間を切離することで摘出します。

 

摘出後は出血確認をし、断端を陰嚢内に戻します。

反対側も同様に摘出後、皮内および皮膚をそれぞれ2~3か所ずつ縫合したら手術終了となります。

 

<猫の去勢手術>

猫では、片側の精巣を陰嚢正中部で把持し、精巣直上部に切開を加えます。

総鞘膜まで切開していき、精巣を露出させます。

 

精巣上体部に付着している総鞘膜をモスキート鉗子にて分離し、精巣を体外に牽引します。

精巣動静脈と精管をモスキート鉗子にて2本まとめて結紮し、切離することで精巣を摘出します。

 

摘出後は出血確認をし、断端を陰嚢内に戻します。

反対側も同様に摘出し、陰嚢内に戻したら手術は終了となります。

猫ちゃんの場合は、皮膚や皮下縫合はせずに手術終了となります。

 

去勢手術を実施するにも様々なメリットやデメリットが存在します。

近年での報告では去勢手術をすることにより寿命が延びるとの報告もあります。

当院ではきちんとメリット・デメリットについて説明し御理解いたただいた上で、去勢手術を実施しております。

※メリット・デメリットについてはこちらの記事で説明していますので、併せてご参照ください。

その他の記事

  • 糖尿病性ケトアシドーシス

    糖尿病性ケトアシドーシスとは内科エマージェンシーの1つであり、糖尿病が進行して発症します。発症メカニズムとしては、インスリン不足によりブドウ糖の細胞内への取り込みが減り、代…

    5年前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    2年前
  • 猫の尿管結石の症例

    猫の尿管結石は比較的若齢でも発生する泌尿器系の疾患です。腎臓と膀胱をつなぐ尿管に結石が閉塞することで、腎臓で産生された尿が膀胱に流れず、腎臓に貯まってしまいます(水腎症)…

    3年前
  • 犬の口腔内無顆粒性悪性黒色腫

    犬の口腔内腫瘍には悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫など様々な種類の腫瘍が発生することが報告されています。この中でも悪性黒色腫は口腔内腫瘍の中で最も発生率の高い腫瘍とされ、半…

    10か月前
  • 内視鏡 異物除去

    内視鏡症例をご紹介いたします。 果物の種を飲み込んでしまったワンちゃんで内視鏡によって摘出を行いました。 異物、誤食の中で桃の種など果物の種は高確率に腸…

    5年前
  • 先天性門脈体循環シャント

     先天性門脈体循環シャントは生まれつき血管に異常のある病気です。なんとなく元気がなかったり、成長が悪かったりと特異的な臨床徴候を出さないこともあり、血液検査をしないとわから…

    1年前
  • 腎瘻チューブの設置により尿管が疎通した腎盂腎炎の症例

    腎孟腎炎は腎孟および腎実質の炎症で,原因としてもっともよくみられるのは細菌感染です。 今回は腎盂腎炎に伴い尿管閉塞を起こした猫に対して、経皮的に腎瘻チューブを設置し、…

    3年前
  • 尿管結石摘出術

      尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが…

    2年前
  • 犬・猫の避妊・去勢手術におけるメリット・デメリット

    新しい家族を迎えた時、避妊・去勢手術の実施を考える方は多いかと思います。 みんな手術をしているから家の子もやっておこうといった考えではなく、大切な家族のために手術には…

    2年前
  • 尾状葉乳頭突起の肝葉切除(肝細胞癌) 

    犬の肝臓の腫瘍性疾患において一番多く発生する腫瘍は肝細胞癌です。日常の臨床的にもよく遭遇する腫瘍で、発生の形態によって孤立性、多発性、び慢性に分けられます。経過としては徐々…

    9か月前