ご予約はこちら
045-932-5151
2023年9月17日

尿管結石摘出術

 

尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが、両側性に閉塞を起こすと急性腎不全を生じ命に関わる疾患です。

 

 

 

当院では尿管結石に関して ①結石摘出術 ②膀胱尿管新吻合術 ③SUB system 設置 の3つのオプションをご用意しております。

 

本症例は吐き気を主訴に来院され、腹部超音波検査にて右腎盂の拡張と拡張した尿管(3.8mm)および閉塞している結石を確認いたしました。

今回は閉塞した結石が一つであり、尿管の拡張が顕著で内腔に疎通性が認められたため結石摘出術を行いました。以下写真付きの術式紹介です。他の術式に関してはまた別ページにてご紹介いたします。

 

腎盂拡張
尿管拡張と閉塞した結石

 

 

定法通り開腹後腹膜を破く
尿管(黄)を周囲脂肪から剥離
結石が閉塞し拡張した尿管

 

尿管に小切開を加え結石を摘出
摘出した結石(2mm大)
3Frのアトムチューブを挿入し疎通性の確認

 

 

9-0 Nyronにて尿管を単純縫合
縫合部位を周囲脂肪に縫い付け漏出を予防する
J-Vac ドレーンを設置後閉腹

 

尿管自体はとても細く(1-2mm)通常肉眼では切開部位を確認することはできません。また縫合自体とても細かい作業になりますので難易度の高い手術になります。術後はJ-vacドレーンにて腹腔内への尿の漏出を管理し、一時的に抗炎症薬を使用することで尿管炎症を抑えます。本症例は尿の漏出もなく、再閉塞も生じませんでした。

その他の記事

  • 炎症性腸疾患<IBD>、慢性腸症

    炎症性腸疾患<inflammation Bowel disease:IBD>
    慢性腸症<chronic entropathy:CE> 小腸または大腸の粘膜固…

    6年前
  • 猫の心筋症:肥大型心筋症(HCM)

    心筋症には4つの代表的な分類が存在します。①肥大型心筋症(HCM)、②拘束型心筋症(RCM)、③拡張型心筋症(DCM)、④不整脈源生右室心筋症(ARVC)の4つに分類されて…

    3年前
  • 犬・猫の避妊・去勢手術におけるメリット・デメリット

    新しい家族を迎えた時、避妊・去勢手術の実施を考える方は多いかと思います。 みんな手術をしているから家の子もやっておこうといった考えではなく、大切な家族のために手術には…

    2年前
  • 高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫

    消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。   症例 猫 雑…

    2年前
  • 犬の脾臓腫瘍

    犬の脾臓腫瘍は中・高齢で好発し、1/3~1/2が悪性とされています。腫瘍破裂や出血により劇症を呈することもあれば、症状が認められない場合も少なくありません。今回紹介…

    3年前
  • 「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!

    こんにちは!最近は日ごとに気温があがり、夏の暑さが本格的に到来しつつあります。 私たちヒトと同じように、動物も暑くなるとのどが渇いてたくさん水を飲むようになり…

    10か月前
  • 甲状腺腺腫および肺腺癌に対して外科的介入を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説

    ” 最近食欲はあるのに体重は減ってきている ” ” 落ち着きがなくなり、攻撃的になったり、夜中に鳴くようになった ” このような症状が認められることはありま…

    1か月前
  • 犬の椎間板ヘルニア

     椎間板ヘルニアは、犬において最も遭遇する頻度の高い神経疾患の一つです。椎間板は椎骨間(背骨と背骨の間)の緩衝材として存在しています。この椎間板が変性し、脊髄を圧迫すること…

    3年前
  • 胸腺腫摘出を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説

    胸腺腫とは犬や猫で稀に発生する前縦隔腫瘍の一つです。 胸腺は若齢動物では発達していますが、基本的に成長とともに萎縮し小さくなります。胸腺腫では、この胸腺の上皮細胞が…

    2週間前
  • 犬と猫の高カルシウム血症について

    普段血中のカルシウム濃度は厳密に調整されていますが、恒常性が破綻してしまうと高カルシウム血症が生じてしまいます。軽度の高カルシウム血症の場合は無症状のことが多く、偶発的に見…

    2年前