ご予約はこちら
045-932-5151
2025年7月10日

アレルギー食|たくさんありすぎてどれを選んでいいか分からない?種類と使い分けについて

ペットショップや薬局のペットフードコーナーで「アレルギー体質の子向け」と書かれたフードを見かけたり、獣医さんから「アレルギーかも」と言われたことはありますか?

アレルギーに良いご飯を試してみたいけど、どれを選んでいいか分からないという飼い主様も多いのではないでしょうか。

今回はそんなアレルギー食について詳しくお話していきます。


そもそもアレルギー食とは、アレルギーの原因”アレルゲン”に配慮して作られたご飯を指します。

アレルゲン≒たんぱく質

であり、豚肉や卵、小麦など、アレルギーの原因として様々ありますが、これらの食物に含まれるたんぱく質がアレルギーを引き起こしています。

タンパク質はアミノ酸という分子が連なった鎖状をしており、理論上はこの鎖が短いほどアレルギーが出ずらいとされています。

  

これを踏まえて、アレルギー食は大きく次の3つに分類されます。

①新奇たんぱく食・・・今まで食べたことのない新しいたんぱく源で作られたフード。

           チキンで作られたご飯を食べていたのであれば魚や大豆などに変更してみる、など。

②加水分解食・・・たんぱく質をある程度まで分解したフード。

③アミノ酸食・・・たんぱく質を最大限分解したフード。理論上はこのご飯が一番アレルギーをおこしずらい。

“新奇たんぱく食”➡”加水分解食”➡”アミノ酸食”のイメージ

  

①新奇たんぱく食の代表としては、

・Dr.’s(ドクターズ) アミノプロテクトケア えんどう豆

・Fermina(ファルミナ) 低アレルゲン ニシン&ポテト

DR.’s えんどう豆についての詳しい説明はこちらから
Farmina ニシン&ポテトについての詳しい説明はこちらから

  

②加水分解食の代表としては、

・ROYAL CANIN 低分子プロテイン

・Farmina 皮膚ケア 加水分解フード

低分子プロテインについての詳しい説明はこちらから
加水分解フードの詳しい説明はこちらから

  

③アミノ酸食の代表としては、

・ROYAL CANIN アミノペプチドフォーミュラ

アミノペプチドフォーミュラの詳しい説明はこちらから

この3つの中で、治療計画やその子の好みに合わせてフードを選んでいくことになります。

  

例えば、「普段チキンで作られたフードを食べている子」をがアレルギー食を選ぶ場合、

①チキン以外のたんぱく質が使われたフード、例えば「Dr.’s アミノプロテクト えんどう豆」

②理論的にアレルギーが一番出ずらいとされている ROYAL CANIN

このどちらかを初手として選ぶと良いでしょう。

  


いかがだったでしょうか。

「アレルギー食」と一概に言ってもいろんな考え方と種類があり、目的に合ったフードを適切に選ぶことが大切なのです。

きっと動物家族さんにぴったりのフードが見つかるはずです。気になった方はお気軽にお尋ねいただければと思います。

  

  

⇩⇩こちらも併せてご覧ください⇩⇩

犬アトピー性皮膚炎|病態について

犬アトピー性皮膚炎|治療の2本柱

  

その他の記事

  • 尿管結石摘出術

      尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが…

    2年前
  • 犬の股関節脱臼の外科的整復(大腿骨頭切除)

    犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主…

    7か月前
  • 犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

    犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)   僧帽弁閉鎖不全症(以下 MMVD)は犬の心臓病の代表的な疾患です。犬の心臓の構造は人と類似しており、2心房2心室で…

    2年前
  • 鼻梁にできた多小葉性骨腫瘍

    多小葉性骨腫瘍は犬の頭蓋骨にできることの多い骨の腫瘍です。局所で拡大し脳を圧迫することで神経症状を示すことも少なくありません。今回は鼻梁部(鼻と頭蓋骨の間)にできた多小葉性…

    2年前
  • 高カルシウム血症

    普段血中のカルシウム濃度は厳密に調整されていますが、恒常性が破綻してしまうと高カルシウム血症が生じてしまいます。軽度の高カルシウム血症の場合は無症状のことが多く、偶発的に見…

    1年前
  • 消化器科

    『消化器疾患』吐出、嘔吐や下痢、食欲不振や体重減少などが認められたら消化器疾患を考えます。消化器とは、口、のど、食道、胃、小腸(十二指腸・空腸・回腸)、大腸、肛門まで続く消…

    2年前
  • うっ血性心不全/心原性肺水腫(犬)

      心源性肺水腫とは、僧帽弁閉鎖不全症や肥大型心筋症などの心臓病によって心臓内の血液の鬱滞が悪化する事により、肺に血液中の水が押し出され呼吸困難を生じる二次的な病態で…

    6年前
  • 両側に胸腔ドレーンを設置し救命した膿胸の猫

    救急診療時間内にきた膿胸の猫の一例を紹介いたします。   症例 雑種猫 1歳 避妊メス 数日前から元気がなく今日になって呼吸が苦しそうとのことで来院されました。…

    1年前
  • 犬・猫の混合ワクチン

    コロナの影響によって”ワクチン”という言葉をよく耳にするかと思います。わんちゃん、ねこちゃんと一緒にいると、はがきなどによって混合ワクチンのお知らせが届くと思います…

    2年前
  • 皮膚科

     皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」、「皮膚が赤く…

    2年前