2023年5月28日
犬の脾臓腫瘍
犬の脾臓腫瘍は中・高齢で好発し、1/3~1/2が悪性とされています。腫瘍破裂や出血により劇症を呈することもあれば、症状が認められない場合も少なくありません。今回紹介する症例も症状がなく、健康診断で脾臓腫瘍が見つかりました。
症例:犬、去勢雄、10才7ヶ月
元々の主訴は眼でしたが、年齢もあり健康診断をすることになりました。
血液検査、レントゲン、エコーを行ったところ、脾臓に直径約3㎝の腫瘍が見つかりました。

オーナー様と相談の結果、脾臓摘出をすることになりました。


病理検査の結果は「組織球肉腫」でした。
これは悪性腫瘍の一つで、抗がん剤が適用となる腫瘍です。
脾臓以外にも様々な臓器に転移する可能性があり、定期的な抗がん剤と検診が必要となります。
本症例も抗がん剤と検診を定期的に行っており、現在転移は見られず元気に過ごしてくれています。
脾臓腫瘍はエコーで簡単に発見ができます。
脾臓は血の塊のような臓器で、悪性であれ良性であれ大きい腫瘍は破裂の危険性がありますが、先述の通り症状がないことも多いのです。
いつも通り元気に過ごしてくれていても命にかかわる病気が潜んでいることもありますので、定期的な健康診断をお勧めします。
当院でも血液検査から尿検査、便検査、エコーまで健康診断のコースをいくつもご用意しておりますので、お気軽にお問合せ・ご来院いただければと思います。
・腫瘍科のページ
その他の記事
-
内視鏡 異物除去
内視鏡症例をご紹介いたします。 果物の種を飲み込んでしまったワンちゃんで内視鏡によって摘出を行いました。 異物、誤食の中で桃の種など果物の種は高確率に腸…
6年前 -
猫の難病、猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫、特に子猫にとって命に関わる程の恐ろしい病気になります。猫伝染性腹膜炎はかつては”治らない病気”とされ、一度発症すると有効な治療法がなく、ほ…
3か月前
-
ワクチンによるアナフィラキシーショック
毎年たくさんのワンちゃんネコちゃんが予防接種のために来院しています。 病原体の病原性を弱めたり無毒化したものをワクチンとして接種することで、 恐ろしい感染症に対…
2年前 -
犬と猫の糖尿病について | よくお水を飲んだり、おしっこの量が多いのは初期症状かも?
"糖尿病"とはインスリンと言われる血糖値を調整するホルモンが不足することで、持続的な高血糖など、様々な代謝異常を起こす病気になります。この病気は、人でも7大生活習慣病の1…
6か月前 -
肺高血圧症
今回の症例は『肺高血圧症(pulmonary hypertension: PH)』です。
肺高血圧症は肺動脈圧の上昇を主として、様々な疾患から2次的に生じることの多い…6年前 -
犬の口臭の裏に潜むリスクとは?|考えられる原因と対策を解説
愛犬の顔に近づいたとき、「いつもより口が臭うかも…」と感じたことはありませんか? こうしたニオイは単なる不快な症状ではなく、犬の体の中で起きている異常を知らせ…
1年前 -
犬と猫の予防接種の重要性について
愛犬や愛猫の健康を守るために、予防接種はとても大切です。 予防接種は、犬や猫の健康を守るだけでなく人にも影響を及ぼす感染症を防ぐ重要な役割を果たします。 …
2年前 -
循環器科
循環器疾患とは血液を全身に循環させる臓器(心臓や血管など)が正常に働かなくなる疾患のことです。代表的な疾患としては、心臓病(弁膜症、心筋症)、高血圧、脳血管障害などがありま…
3年前 -
若い犬や猫に見られる皮膚糸状菌症(真菌感染症)とは?
皮膚糸状菌症とは、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビの仲間)による感染症であり、人にも感染するため人獣共通感染症とされています。猫ちゃんでは原因菌として20種ほどが報告されてい…
1年前 -
犬アトピー性皮膚炎|治療の2本柱
今回は犬アトピー性皮膚炎の治療方法について詳しくお話していきます。 犬アトピー性皮膚炎の病態についてはこちらで解説しているので合わせてご覧ください。 =====…
2年前
