ご予約はこちら
045-932-5151
2023年8月6日

皮膚科

 皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」「皮膚が赤くなっている」「脱毛している」など臨床徴候がハッキリしているため、気になる飼い主さんも多いようです。

 このページではどんな病気が多くて、どんな検査や治療ができるのかを簡単にご紹介します。

  

 ワンちゃんでも猫ちゃんでも年齢によって起こりやすい皮膚疾患が変わります。

 子犬や子猫の内に発症しやすい皮膚疾患としては「ノミやダニの寄生」や「真菌症(いわゆるカビ)」などの感染症が挙げられます。特に野良猫ちゃんでは寄生虫の感染が多いので、まずは寄生虫の駆虫・予防から始めましょう。また、排尿などを失敗して身体が汚れてしまうとそのせいで湿疹を起こす子もいます。そのような場合は身体を清潔に保つことで改善することが多いです。子犬、子猫のうちは生活環境を清潔に保ち、予防をしっかりする、栄養バランスの取れた食事を摂ることが大事です。

 

 皮膚に寄生していたマダニ
カビを検出するウッド灯
カビの培養キット

 

 生後半年を過ぎて3歳くらいまでに発症しやすい皮膚疾患はアレルギー性皮膚炎、アトピー性皮膚炎です。今まで食べていた食事が徐々に合わなくなったり、皮膚が徐々に弱っていって常に痒がったり。食事のアレルギーは「除去食試験」というアレルギーを起こしにくいご飯を試したり、血液で「アレルギー検査」を実施したりします。アトピー性皮膚炎は数項目の診断基準があり、他の疾患が否定された場合に診断されます。どちらの病気も完治するものではなく、付き合っていく病気になるのでスキンケアや栄養療法、薬物療法などを含めて身体全体の健康を考えながらうまい付き合い方を探していきます。

 

スキンケア用の入浴剤や保湿剤など

除去食試験に使われる低アレルギー食

 

 シニア期に入って起こりやすい皮膚疾患としては脱毛や膿皮症などです。正確には「甲状腺機能低下症」や「副腎皮質機能亢進症」などの内分泌疾患に伴い皮膚に異常が出ることが多いです。今まではそんなことなかったのに歳を取ってから・・・。という際には皮膚そのものではなく、内臓的な病気やホルモンの病気が関係していることもあります。高齢になって皮膚の病気が出てくる子は血液検査や超音波検査を含めた全身状態の評価をすることも重要になってきます。

 

細菌培養・薬剤感受性試験
細菌に対してどの抗菌薬が効果的かを調べる検査
富士ドライケム IMMUNO AU10V
ホルモン濃度を測定する機械

 このように犬の皮膚疾患は多岐に渡りますが、一時的な感染症を除き継続的な治療が必要になる疾患が多いです。特に重要になるのが、シャンプーや保湿剤などを利用した「スキンケア」と療法食やサプリメントを用いた「栄養療法」です。もちろん、痒み止めや免疫抑制剤などの「薬物療法」も必要であれば実施していきますが、全身的な副作用を考慮して可能な限り薬に頼らず、皮膚の状態を改善していくことが理想的な治療だと考えています。

 代表的な皮膚疾患に関しては随時症例報告を載せていきますので、お悩みの方はぜひご覧になってください。

 

その他の記事

  • 肺高血圧症

    今回の症例は『肺高血圧症(pulmonary hypertension: PH)』です。
    肺高血圧症は肺動脈圧の上昇を主として、様々な疾患から2次的に生じることの多い…

    5年前
  • 猫の心筋症:肥大型心筋症(HCM)

    心筋症には4つの代表的な分類が存在します。①肥大型心筋症(HCM)、②拘束型心筋症(RCM)、③拡張型心筋症(DCM)、④不整脈源生右室心筋症(ARVC)の4つに分類されて…

    2年前
  • 内視鏡で誤食した釣り針を摘出

    釣り針を食べてしまったとの事で来院した7カ月のワンちゃん。 X線検査を実施すると胃の中に釣り針が・・・。 釣り針のような尖ったものは…

    3年前
  • 肝生検

    健康診断で『肝臓の数値が高いですね』と言われたことや過去に『黄疸があり大変厳しい病気です』と動物病院で診断されたことはありませんか? 猫ちゃんの肝臓の病気は栄養性、感…

    6年前
  • 先天性疾患 心膜横隔膜ヘルニア整復

    腹膜心膜横隔膜ヘルニア(Peritoneopericardial Diaphragmatic Hernia;PPDH)は、「心膜横隔膜ヘルニア」とも呼ばれる、先天的に発生す…

    5か月前
  • 紐状異物

    紐状異物は危険な異物の一つで、特に猫に多く見られます。 消化管は食べ物を消化・吸収するために蠕動運動をしています。紐によって手繰り寄せられた消化管は、蠕動運動によって…

    3年前
  • 若い子に稀に見られる疾患、先天性門脈体循環シャントとは? │ 早期発見や実際の治療法について

    先天性門脈体循環シャントは主に若齢の犬ちゃんや猫ちゃんで稀に認められる病気です。 この疾患は特異的な臨床症状を示さないこともあり、詳しい検査をしないと見つからないこと…

    6か月前
  • 腎瘻チューブの設置により尿管が疎通した腎盂腎炎の症例

    腎孟腎炎は腎孟および腎実質の炎症で,原因としてもっともよくみられるのは細菌感染です。 今回は腎盂腎炎に伴い尿管閉塞を起こした猫に対して、経皮的に腎瘻チューブを設置し、…

    3年前
  • 尿石症

    尿石症とは、尿路のいずれかの部位で、尿中の溶解性の低い晶質から結石形成に至り、これが停留し成長することによって尿路の炎症・頻尿・乏尿・閉塞などの徴候を引き起こす疾患です。そ…

    6年前
  • 酸素中毒とは? | 酸素濃度は高ければいいわけではない!気を付けたい酸素中毒について

    皆さんは "酸素中毒" というものをご存じでしょうか。スキューバダイビングなどで酸素ボンベを使ったことがある方は耳にされたことがあるかもしれませんが、実は酸素にも中毒があ…

    3年前