ご予約はこちら
045-932-5151
2020年4月22日

尿石症

尿石症とは、尿路のいずれかの部位で、尿中の溶解性の低い晶質から結石形成に至り、これが停留し成長することによって尿路の炎症・頻尿・乏尿・閉塞などの徴候を引き起こす疾患です。そのまま放置すると、腎不全などの重篤な疾患につながる危険性があります。
国内のある報告では来院症例全体の約1.5%が尿石症と診断されており、一般的に良く見られる疾患の1つになります。治療法としては、結石の摘出手術ならびに食事療法を行いますが、結石の大きさ、種類、臨床症状の有無などの条件で治療法が異なります。

(犬の内科診療 Part1 266-275p 2020.3 緑書房 より抜粋)

雑種 12歳 避妊雌
主訴:頻尿および血尿
腹部エコー図検査と腹部レントゲン検査を行ったところ、非常に大きな膀胱結石を認めました。飼い主様の希望もあり、膀胱結石摘出術を行いました。高齢でさらに片方の腎臓が萎縮しており、多少リスクはありましたが約1時間半で無事手術は終わりました。心配していた術後の腎不全もなく、術後順調に回復し退院していきました。
*写真は結石の写真、レントゲン写真、術中の写真になります。
*結石分析の結果はストラバイト結石でした

この症例は以前に一度結石の手術を行い、術後も療法食を使用していた症例です。しかし結石が再発し今回の手術となりました。結石は体質によるものも多いため、一度結石の疑いが出てしまった子は、定期的に尿検査やエコー検査を勧めようと再認識する症例でした。
尿路結石は食事によって改善するものも存在します。定期的な尿検査やエコー図検査で早期発見することは、結果的に動物の負担を減らすことにつながると考えられます。

その他の記事

  • 腎瘻チューブの設置により尿管が疎通した腎盂腎炎の症例

    腎孟腎炎は腎孟および腎実質の炎症で,原因としてもっともよくみられるのは細菌感染です。 今回は腎盂腎炎に伴い尿管閉塞を起こした猫に対して、経皮的に腎瘻チューブを設置し、…

    4年前
  • 肝生検

    健康診断で『肝臓の数値が高いですね』と言われたことや過去に『黄疸があり大変厳しい病気です』と動物病院で診断されたことはありませんか? 猫ちゃんの肝臓の病気は栄養性、感…

    6年前
  • 狂犬病の予防や症状、法律について解説 | 毎年接種の必要性とは?

    ”狂犬病予防接種”、皆さんは毎年きちんと接種されていますか?どうして毎年接種しないといけないの?接種の必要はあるの?と思う方もいるかもしれません。狂犬病は皆さんが思っている…

    3年前
  • 犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~症状編~

    こちらの記事では甲状腺機能低下症の症例で認められやすい症状について解説していきます。 甲状腺ホルモンは全身的に作用するため、症状も様々なものが認められます。 …

    6か月前
  • 腫瘍科

     獣医療の発展に伴いペットの長寿化が進み、ペットの死因でも悪性腫瘍(ガン)が上位を占めるようになってきました。   犬の平均寿命 14.76 歳、猫の平…

    3年前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    3年前
  • 最新の論文から考える〜犬の避妊手術、いつやるの?〜

    はじめに 犬の避妊手術の適期は、犬種や性別によって大きく異なります。一般的なガイドラインを全ての犬に適用することはできず、個々の犬の健康状態や生活状況を考慮した個別化…

    6か月前
  • 2024年の春の健康診断まとめ

    今年も春の予防シーズンが落ち着き、夏本番が近づいてきていますね。今年は早い時期から猛暑が続いているので、熱中症には十分気をつけて下さい。 ここからは、今年度の4~6月…

    2年前
  • セカンドオピニオン

    セカンドオピニオンとは、現在受けている治療や診断に関して第二の意見を求めることを言います。 当院ではセカンドオピニオンで来られた患者さまに対してまず丁寧にお話を聞くこ…

    3年前
  • 甲状腺腺腫および肺腺癌に対して外科的介入を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説

    ” 最近食欲はあるのに体重は減ってきている ” ” 落ち着きがなくなり、攻撃的になったり、夜中に鳴くようになった ” このような症状が認められることはありま…

    4か月前