泌尿器科
泌尿器とは泌尿器とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道などからなる器官の総称で、血液をろ過して尿を作り、体内の水分や塩分のバランスを調整する働きをします。
高齢になると腎臓の機能が衰えていき慢性の腎臓病になることがありますが、膀胱炎や尿路結石などは若齢でもなることがあります。特に猫ちゃんでは尿管結石や膀胱結石で手術が必要になる子もいます。
泌尿器の検査として比較的簡単に実施できるのが尿検査です。自宅で採取ができれば動物を連れて行かなくても検査ができます。特に猫ちゃんでお出かけが苦手な子は尿検査だけでも定期的に実施できるといいでしょう。尿検査では尿に血が混ざっていないか、膀胱炎を起こしていないか、結晶(結石の成分)が出ていないかを調べることができます。また、尿の比重(濃さ)を調べることで腎臓の機能や糖尿病などのホルモンの病気を推測することもできます。細菌がいるかどうかを正確に調べるためには病院で新鮮な尿を採取する必要がありますが、自宅で採取した尿でもいろんな情報を得ることができます。ただし、注意事項としては採取してから3時間以内の検査が望ましく、病院に持ってくるまでは冷蔵庫で保管していただく必要があります。



腎臓の機能を調べるためには血液検査も有用です。当院では「SDMA」という腎機能の低下を早期に発見できる特殊な血液検査も院内で実施できます。また一般的な(BUN、CRE、電解質、Ca、IP)といった数値に加えて末期になると低下してしまう重炭酸も血液ガスの機械で測定することができます。
定期的な検査を実施することでその都度適切な治療を提案させていただきます。
また、腎臓や膀胱の形態的な変化を調べるために画像検査をすることもあります。ワンちゃん、猫ちゃん共に若齢でも尿路結石が認められることがあるため、膀胱炎の症状がある時には超音波検査で膀胱を確認することが多いです。また、若齢~中齢の猫ちゃんでは、急な嘔吐などの臨床徴候がでた時に尿管結石が詰まっていることもあり、そのまま放っておくと腎臓が機能しなくなってしまうことがあるので注意が必要です。高齢のワンちゃんでは膀胱腫瘍などが考えられるので血尿等が出ているときには超音波検査を実施するのが良いでしょう。



当院では泌尿器に対する治療は内科治療、外科治療どちらも対応させていただいています。特に外科治療は緊急性を要する疾患もありますのでお困りの際には一度お問い合わせをいただければと思います。
・膀胱結石(低侵襲手術、会陰尿道造瘻)
・尿管結石(尿管切開、尿管膀胱新吻合、SUBシステム設置)
・腎盂腎炎
・膀胱腫瘍
・慢性腎臓病
・腎臓腫瘍
その他の記事
-
犬の口臭の裏に潜むリスクとは?|考えられる原因と対策を解説
愛犬の顔に近づいたとき、「いつもより口が臭うかも…」と感じたことはありませんか? こうしたニオイは単なる不快な症状ではなく、犬の体の中で起きている異常を知らせ…
2か月前 -
高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫
消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。 症例 猫 雑…
1年前
-
猫の子宮蓄膿症は若い子でも発症する?原因と治療について。
「子宮蓄膿症」とは、避妊手術をしていない女の子の犬/猫ちゃんの子宮に細菌が感染し、膿が溜まってしまう病気です。 今回は猫の子宮蓄膿症について詳しく解説します。 …
11か月前 -
熱中症
熱中症とは? 熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱が…
4週間前 -
べトスキャン イマジストが導入されました!
この度、国内初のAI技術を応用した検査と専門医による診断サービスが可能な"べトスキャン イマジスト"という検査機器が当院に導入されました! …
10か月前 -
総合診療科
例えば、嘔吐や下痢が認められれば、何となく消化器が悪いのかな?と考えることができますし、咳をしていれば呼吸器かな?と予測することができます。しかし、「なんかいつもと様子が違…
2年前 -
犬の尿石症について ~症状や治療法について説明します~
尿石症とは?
尿石症とは、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路のいずれかの部位に結石ができる病気です。結石が存在する部位によって、…1か月前 -
紐状異物
紐状異物は危険な異物の一つで、特に猫に多く見られます。 消化管は食べ物を消化・吸収するために蠕動運動をしています。紐によって手繰り寄せられた消化管は、蠕動運動によって…
2年前 -
犬の口臭の裏に潜むリスクとは?|考えられる原因と対策を解説
愛犬の顔に近づいたとき、「いつもより口が臭うかも…」と感じたことはありませんか? こうしたニオイは単なる不快な症状ではなく、犬の体の中で起きている異常を知らせ…
2か月前 -
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは、子犬に最も多いとされる先天性疾患であり、その割合は7.2%にも及びます。特に小型犬種に多く発生し、大型犬と比較するとその発生リスクは12倍とも言われています…
5年前