犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません!
最近 “おしっこの量が増えた” や “体重が減ってきた” などが認められることはありませんか?
もしかしたら、それは慢性腎臓病の初期症状かもしれません。
慢性腎臓病は中高齢の犬や猫で多く認められ、中でも猫の腎臓病は多く認められます。
今回はそんな腎臓病の中でも慢性腎臓病について解説していきます。
気になる方はぜひ最後までお読みください。

📌 目次

そもそも腎臓の機能とは?
腎臓には様々な働きがあり、大きく尿の産生・排出により機能するものとホルモンの産生により機能する2つに分けられます。これらが働くことで体内の恒常性を保ってくれます。


慢性腎臓病とは?
慢性腎臓病とは、持続的な腎障害の存在および/または持続的な糸球体濾過量(GFR)の低下がある場合に診断されます。ここでの持続的とは上記のことが3カ月以上持続するような長期的なことを指し、ゆっくり進行していくものになります。
名前の通り慢性かつ進行性の疾患であり、不可逆的(元の状態に戻らない)な変化を起こします。進行していくと最終的に腎不全にまで進行し、死に至る場合もあります。
対症的な治療で症状の緩和をすることや進行を遅らせることはある程度可能になりますが、完全治癒をすることはできません。
この慢性腎臓病にはステージが大きく4つに分かれており、検査の結果のよって分類されます。そのステージにより治療法も異なってくるため、このステージの診断は非常に重要となります。
※ステージの分類についてはこちらから

原因について
原因は遺伝性/先天性のものと後天性のものの大きく2つに分かれます。
遺伝性 / 先天性の要因には
・ 好発種や品種
・ 先天性の構造異常(腎形成不全など)
など
後天性の要因には
・ 急性腎不全
・ 多発性膿胞腎
・ 加齢性の変化
・ 尿細管間質疾患
・ 糸球体疾患
など

これらの要因が起こることによって慢性腎臓病が引き起こされてしまいます。

まとめ
このように慢性腎臓病に限らず、腎臓病は発症してしまうと完治するのが困難な病気です。
そのため、腎臓病は早期発見・早期治療が非常に重要となります。
早期発見のためには、日頃から愛犬・愛猫の様子を良く観察し、異常があればすぐ受診することが重要となります。
また、定期的な健康診断も早期発見の重要な手がかりとなります。
もしかしてと思ったらぜひ一度ご相談下さい。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。
▼ よく見られる症状について⇨こちらから
▼ 必要な検査および診断について⇨こちらから
▼ 治療法について
※こちらのリンクは1週間ごとに更新しております。リンクがない場合は更新までお待ちください。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Q&A
Q. 慢性腎臓病は治りますか?
A. 完治することは出来ませんが、症状を遅らせることは可能です。
Q. 慢性腎臓病の子の食事はどうしたらいいですか?
A. 食事については腎臓病のステージによって、お勧めの種類が変わってきます。ある程度ステージが進行している場合には、蛋白質やリン、カルシウムなどの成分が調整されている療法食が推奨される場合があります。
Q. 早期発見のためにはどうしたらいいですか?
A. 多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状が出てきた場合には注意が必要です。
また、定期的な検診を実施することも早期発見に繋がります。
その他の記事
-
肋間開胸術による犬の肺腫瘍切除
今回は他院にてレントゲン撮影をした際に肺腫瘍が見つかり、セカンドオピニオンとして当院を受診し、CT検査及び肺葉切除によって腫瘍を摘出した一例を紹介します。 a …
2年前 -
肝中央区域の腫瘍および胆嚢を一括切除した犬の一例
近年では、獣医療の発達とともに犬猫の長寿化が認められるようになり、腫瘍と診断される子も増えてきています。腫瘍の中でも肝臓腫瘍は稀であり、肝臓自体は”沈黙の臓器”とも呼ばれ…
3か月前
-
犬や猫だけでなく、ヒトにも感染する”SFTS”について
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは、マダニを媒介してヒトや動物に感染するウイルス性の人獣共通感染症です。2013年に初めて国内患者の発生が認められ、西日本を中心に発生…
1か月前 -
猫の会陰尿道造瘻術
尿石症(腎結石や尿管結石、膀胱結石など)は若い猫ちゃんでも起こる一般的な病気です。猫ちゃんにできやすい結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウムの2種類です。 …
3年前 -
先天性疾患 心膜横隔膜ヘルニア整復
腹膜心膜横隔膜ヘルニア(Peritoneopericardial Diaphragmatic Hernia;PPDH)は、「心膜横隔膜ヘルニア」とも呼ばれる、先天的に発生す…
12か月前 -
犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~検査および診断編~
こちらの記事では甲状腺機能低下症における検査および診断について解説していきます。 甲状腺機能低下症では、様々な検査が検査が併用される場合があります。 甲状腺機…
9か月前 -
犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!?
最近「お水を飲む量が多い」「おしっこが薄くて多い」「食欲がありすぎる」などの症状が見られることはありませんか? 副腎腫瘍では症状は多岐にわたり、無症状の場合もあり…
11か月前 -
尿石症
尿石症とは、尿路のいずれかの部位で、尿中の溶解性の低い晶質から結石形成に至り、これが停留し成長することによって尿路の炎症・頻尿・乏尿・閉塞などの徴候を引き起こす疾患です。そ…
6年前 -
胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬
胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …
3年前 -
犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~症状編~
こちらの記事では甲状腺機能低下症の症例で認められやすい症状について解説していきます。 甲状腺ホルモンは全身的に作用するため、症状も様々なものが認められます。 …
9か月前
