ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
  • ホーム
  • 症例
  • 泌尿器科/内分泌科
  • 犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! ~検査および診断編~
2026年1月30日

犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! ~検査および診断編~

こちらでは、慢性腎臓病(CKD)における必要な検査および診断について解説していきます。

慢性腎臓病には大きく4つのステージがあり、どのステージにいるのかで治療法や予後が変わってきます。そのため、現在のステージを知ることは非常に重要なことです。

少しでも慢性腎臓病について知りたい方はぜひこちら記事をご参考にください。

必要な検査および診断

慢性腎臓病の診断には、血液検査、尿検査、エコー検査、レントゲン検査など様々な検査を必要とします。この検査の目的には主に、” 慢性腎臓病(CKD)と診断 “すること、” 治療法を決める “ことの2つの目的があります。

以下では、それぞれについて簡潔に解説します。

1.血液検査

腎臓の働きを評価する基本的な検査です。

  • □ BUN(尿素窒素)・クレアチニン:腎機能低下の指標です。腎臓の機能が1/4以下に低下すると上昇します。筋肉量や食事の影響で数値が変動しやすいです。
  • □ SDMA:初期の腎機能低下をより早く捉えられるマーカーになり得ると報告されています。クレアチニンと違って筋肉量に左右されないため、より正確に腎機能低下を反映できることがあります。
  • □ リン・電解質:治療方針の判断に重要
  • □ FGF23:早期のリン排出低下の指標であり、腎不全の進行を予測することができます。

2.尿検査

  • □ 尿比重:尿を濃縮する力の評価をします。
  • □ 尿蛋白:腎臓からの蛋白漏出の有無を確認します。
  • □ 尿沈渣検査:炎症や結晶、細菌を顕微鏡で探します。

3.血圧測定

慢性腎臓病では高血圧を合併することが多く、腎臓や目、心臓への影響を防ぐためにも重要な検査です。

4.画像検査(レントゲン・超音波検査)

  • □ 腎臓の大きさ・形・構造を確認します。
  • □ 腫瘍、結石、先天的異常などの有無を評価します。

上記のような検査結果と臨床症状を基に慢性腎臓病(CKD)の病期ステージ分類を診断します。

IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)ステージ分類により、今後の治療の方針を検討します。

IRIS(国際獣医腎臓病研究グループ)ステージ分類

まとめ

慢性腎臓病について必要な検査および診断について解説しました。

腎臓病は一度なってしまうとずっと付き合っていかなければいけない病気です。そのため、いかに早期発見できるかが重要になってきます。早期発見のためには、家での体調の変化を良く見てもらうことや、定期的な検査がお勧めです。

検査のタイミング

  • 7歳以上:年1~2回の定期検査がおすすめです
  • 多飲多尿、食欲低下、体重減少、嘔吐などの症状がある場合は、年齢に関わらず早めの検査が必要です

早期発見のメリット

慢性腎臓病は完治が難しい病気ですが、早期に発見し適切な治療や食事管理を行うことで、進行を緩やかにし、生活の質を保つことができます。

当院では、わんちゃん・ねこちゃんの状態や年齢に合わせた検査と治療のご提案を行っています。気になる症状や検査についてのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。

 

▼ 慢性腎臓病とは⇨こちら

▼ よく見られる症状について⇨こちら

▼ 治療法について

※こちらのリンクは1週間ごとに更新しております。リンクがない場合は更新までお待ちください。

Q&A

Q. 慢性腎臓病は治りますか?

A. 完治することは出来ませんが、症状を遅らせることは可能です。

 

Q. 慢性腎臓病の子の食事はどうしたらいいですか?

A. 食事については腎臓病のステージによって、お勧めの種類が変わってきます。ある程度ステージが進行している場合には、蛋白質やリン、カルシウムなどの成分が調整されている療法食が推奨される場合があります。

 

Q. 早期発見のためにはどうしたらいいですか?

A. 多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状が出てきた場合には注意が必要です。

 また、定期的な検診を実施することも早期発見に繋がります。

その他の記事

  • 犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~症状編~

    こちらの記事では甲状腺機能低下症の症例で認められやすい症状について解説していきます。 甲状腺ホルモンは全身的に作用するため、症状も様々なものが認められます。 …

    10か月前
  • 犬の急性膵炎について解説 | 実は重症化すると命に関わる可能性のある恐ろしい病気です

    ”急にお腹を痛がりだした”、”ぐったりしてなにもご飯をたべない”などの症状が見られることはありませんか?このような症状が見られる場合は急性膵炎の可能性があります。 …

    7日前
  • 猫の難病、猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説

    猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫、特に子猫にとって命に関わる程の恐ろしい病気になります。猫伝染性腹膜炎はかつては”治らない病気”とされ、一度発症すると有効な治療法がなく、ほ…

    3か月前
  • 侮ってはいけないノミ・ダニ予防について解説 | 痒いだけでは済まない場合もあります

    ノミやダニと聞くと、痒いというイメージを持たれる方が多いと思います。しかし、ノミやダニは痒みを引き起こすだけでなく、わんちゃんや猫ちゃん、さらには人にも様々な病気を引き起こ…

    3年前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    3年前
  • 犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! ~治療編~

    こちらの記事では慢性腎臓病(CKD)の治療法について解説していきます。 今までの記事でも解説した通り、慢性腎臓病の治療法はステージによって治療も異なります。 …

    8か月前
  • 当院での避妊手術について、詳しい手術方法を解説します

     皆さんが飼われているペットさんは避妊手術・去勢手術はされましたか?今回は当院での避妊手術について紹介したいと思います。  当院での避妊手術は「子宮卵巣摘出術」を採用…

    3年前
  • 「目が見えていないかも…」考えられる原因とは?

    犬は人よりも年を取るスピードが速く、7歳を超えるとシニア期に入ります。 年を取れば取るほど病気も増えていきますが、目もその一つです。 「最近物によくぶつかるよう…

    2年前
  • 犬と猫の予防接種の重要性について

    愛犬や愛猫の健康を守るために、予防接種はとても大切です。 予防接種は、犬や猫の健康を守るだけでなく人にも影響を及ぼす感染症を防ぐ重要な役割を果たします。 …

    2年前
  • 胆嚢摘出術および総胆管ステント設置を実施した犬の1例

    胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢内に可動性の乏しい胆汁由来の粘液状物質が過剰に貯留した状態です。この粘液状物質が過剰に貯留してしまうと胆嚢拡張を起こしたり、胆汁の流れ出る通り道である…

    1年前