ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2026年1月7日

犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~治療編~

こちらの記事では甲状腺機能低下症の治療について解説していきます。

正しく適切なホルモン補充療法とモニタリングが行われていれば予後良好なことが多いです。

甲状腺機能低下症の治療について気になっている場合はぜひ最後までお読みください。

治療法は?

基本的には内科治療によるものがほとんどです。

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの不足が原因となるため、甲状腺ホルモン製剤を補充すれば症状は改善しますが、一度なってしまうと完治は難しく、一生涯の投薬が必要となることが多いです。

標準的な治療を行った場合、顔面の粘液水腫や神経症状は約1カ月程で、脱毛は約4カ月程で回復します。そのため、この標準的な治療で良化しない場合は、甲状腺機能低下症の診断が誤っているか、併発疾患が存在しているのかが疑われます。その場合は再度診断の見直しが必要となります。

 

内科治療には”レボチロキシンナトリウム”や”リオチロニンナトリウム”というものが扱われます。当院では”レボチロキシンナトリウム”が成分になっているチロタブ、もしくはフォーサイロンという製品名で取り扱っています。

臨床症状に合わせて1日1-2回の投薬を行い、投薬開始から2-4週間で血中の甲状腺ホルモンの濃度をモニタリングします。血中濃度の目標値は3-5㎍/dLですが、臨床症状も併せて評価し最終的な投薬量を決定していく必要があります。

このように甲状腺機能低下症の症例では、時間はかかってしまいますが、ホルモンの補充療法によって臨床症状の回復が見込めます。一生涯の投薬が必要にはなりますが、適切な診断や治療が選択されれば、いつも通りの元気な生活を取り戻すことができます。

また、甲状腺機能低下症の症例では代謝が落ちているため、食事量にも気を遣う必要があります。

気になる症状がある時はぜひお気軽にご相談下さい。 

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。

 

▼ 甲状腺機能低下症とは?

▼ よく見られる症状について

▼ 検査および診断について

その他の記事

  • 高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫

    消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。   症例 猫 雑…

    2年前
  • 猫の難病、猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説

    猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫、特に子猫にとって命に関わる程の恐ろしい病気になります。猫伝染性腹膜炎はかつては”治らない病気”とされ、一度発症すると有効な治療法がなく、ほ…

    3か月前
  • 犬の脾臓腫瘍

    犬の脾臓腫瘍は中・高齢で好発し、1/3~1/2が悪性とされています。腫瘍破裂や出血により劇症を呈することもあれば、症状が認められない場合も少なくありません。今回紹介…

    3年前
  • 消化器科

    『消化器疾患』吐出、嘔吐や下痢、食欲不振や体重減少などが認められたら消化器疾患を考えます。消化器とは、口、のど、食道、胃、小腸(十二指腸・空腸・回腸)、大腸、肛門まで続く消…

    3年前
  • 肝生検

    健康診断で『肝臓の数値が高いですね』と言われたことや過去に『黄疸があり大変厳しい病気です』と動物病院で診断されたことはありませんか? 猫ちゃんの肝臓の病気は栄養性、感…

    6年前
  • セカンドオピニオン

    セカンドオピニオンとは、現在受けている治療や診断に関して第二の意見を求めることを言います。 当院ではセカンドオピニオンで来られた患者さまに対してまず丁寧にお話を聞くこ…

    3年前
  • 膝蓋骨脱臼

    膝蓋骨脱臼とは、子犬に最も多いとされる先天性疾患であり、その割合は7.2%にも及びます。特に小型犬種に多く発生し、大型犬と比較するとその発生リスクは12倍とも言われています…

    7年前
  • 肺高血圧症

    今回の症例は『肺高血圧症(pulmonary hypertension: PH)』です。
    肺高血圧症は肺動脈圧の上昇を主として、様々な疾患から2次的に生じることの多い…

    6年前
  • 腹腔鏡下肝生検

     ワンちゃんやネコちゃんでも健康診断で肝臓の数値が高い子を多くみかけます。一般的には症状がなく、元気そうにみえる子がほとんどですが、重病が隠れていることもあります。 …

    2年前
  • 肥満細胞腫

    肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍のうち20%前後を占めるため、犬の腫瘍では遭遇することの多い疾患にあたります。主にしこりの付近のリンパ節、続いて肝臓、脾臓へ転移することも多いため…

    4年前