犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも?
” 最近元気がない ” や ” 皮膚症状が出てくるようになった “ といった症状が見られることはありませんか?もしかしたら、甲状腺機能低下症の初期症状かもしれません。
甲状腺ホルモンはほとんどの組織細胞の作用することで、健康状態を保っています。そのため、甲状腺ホルモンが欠乏することで様々な臨床症状が認められるようになります。
今回はこの甲状腺機能低下症について解説していきたいと思います。
うちの子もしかして?と思った方はぜひ最後までお読みいただけばと思います。

📌 目次

甲状腺ホルモンとは?
甲状腺ホルモンは甲状腺から放出されるホルモンで、ほとんどすべての臓器や細胞に対して働くもので、体にとって欠くことのできないホルモンになります。
細胞に総合的に働く結果、体温の上昇、心機能亢進、基礎代謝上昇、糖代謝亢進、成長促進など様々な効果が認められるものになります。

甲状腺機能低下症とは?
犬の甲状腺機能低下症は、副腎皮質機能亢進症に次いで良く見られる内分泌疾患になります。甲状腺が萎縮することにより、血中の甲状腺ホルモン(T4:サイロキシン、fT4:遊離サイロキシン)濃度が低下し、様々な症状を引き起こします。

甲状腺機能低下症の原因としては、
● 先天性:生まれもって甲状腺ホルモンが欠乏していることが原因
● 原発性甲状腺機能低下症:リンパ球性甲状腺炎または甲状腺の特発性萎縮が原因
● 二次性甲状腺機能低下症:下垂体異常によりTSH分泌が抑制されることによる
● 三次性甲状腺機能低下症:視床下部からのTRH分泌障害によるTSH分泌低下による
● 甲状腺ホルモン変換異常:組織細胞内でT4に必要なものが変換できないことによる
などがあります。
成犬の甲状腺機能低下症のうち99%以上は原発性要因であり、二次性は稀、三次性はほとんどないとされています。
また、この疾患と似たようなものに、甲状腺以外の疾患や投薬によって血中の甲状腺ホルモン濃度が低下する減少をeuthyroid sick症候群(ESS)と呼び、しばしば甲状腺機能低下症と誤診されるものがあります。
そのため、真の甲状腺機能低下症を診断するためには、臨床症状の丁寧な観察や、適切なの内分泌検査および画像検査を実施することが重要となってきます。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。
▼ 治療法について
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Q&A
Q. 甲状腺機能低下症の検査は行っていますか?
A. はい。当院では甲状腺機能低下症に対する検査を行っております。
Q. 甲状腺機能低下症に対する治療は行っていますか?
A. はい。当院では甲状腺機能低下症に対する治療も行っております。
Q. 甲状腺腫瘤に対してCT検査を検討しているのですが対応していますか?
A. はい。当院ではCT検査も行っておりますので、ぜひご相談下さい。
Q. 甲状腺腫瘤に対する手術は行っておりますか?
A. はい。当院では甲状腺腫瘤に対する手術も行っております。
その他の記事
-
犬と猫の高カルシウム血症について
普段血中のカルシウム濃度は厳密に調整されていますが、恒常性が破綻してしまうと高カルシウム血症が生じてしまいます。軽度の高カルシウム血症の場合は無症状のことが多く、偶発的に見…
2年前 -
犬の乳腺腫瘍
犬の乳腺腫瘍とは、雌犬で一般的に認められる腫瘍であり、雌犬の全腫瘍中52%を占め、約半数が悪性です。臨床徴候としては乳腺内に単一または多発性に結節を認め、悪性の場合は急速…
3年前
-
最新の論文から考える〜犬の避妊手術、いつやるの?〜
はじめに 犬の避妊手術の適期は、犬種や性別によって大きく異なります。一般的なガイドラインを全ての犬に適用することはできず、個々の犬の健康状態や生活状況を考慮した個別化…
5か月前 -
猫の会陰尿道造瘻術
尿石症(腎結石や尿管結石、膀胱結石など)は若い猫ちゃんでも起こる一般的な病気です。猫ちゃんにできやすい結石はストルバイト結石とシュウ酸カルシウムの2種類です。 …
3年前 -
炎症性腸疾患<IBD>、慢性腸症
炎症性腸疾患<inflammation Bowel disease:IBD>
慢性腸症<chronic entropathy:CE> 小腸または大腸の粘膜固…6年前 -
胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬
胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …
3年前 -
鼻梁にできた多小葉性骨腫瘍
多小葉性骨腫瘍は犬の頭蓋骨にできることの多い骨の腫瘍です。局所で拡大し脳を圧迫することで神経症状を示すことも少なくありません。今回は鼻梁部(鼻と頭蓋骨の間)にできた多小葉性…
3年前 -
セカンドオピニオン
セカンドオピニオンとは、現在受けている治療や診断に関して第二の意見を求めることを言います。 当院ではセカンドオピニオンで来られた患者さまに対してまず丁寧にお話を聞くこ…
3年前 -
犬アトピー性皮膚炎|病態について
アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…
2年前 -
肝生検
健康診断で『肝臓の数値が高いですね』と言われたことや過去に『黄疸があり大変厳しい病気です』と動物病院で診断されたことはありませんか? 猫ちゃんの肝臓の病気は栄養性、感…
6年前
