2025年7月28日
熱中症
熱中症とは?
熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱がこもり、体温調節中枢機能が破綻することで高体温が持続し発症します。人間と同様に動物でも起こり、様々な臓器が障害を受け多臓器不全(循環不全、消化器障害、腎障害、脳障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)など)となり、死亡することもあります。
【原因】
- 夏季の室内や車内など温熱環境下への長時間の滞在
- 過度な運動
- 肥満や呼吸器疾患、心疾患、痙攣発作などの基礎疾患により高体温となる
★ 特に肥満犬や短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなど)は熱中症にかかりやすく注意が必要です


【症状】
進行状態によって症状が異なります。

【治療】
体を水で濡らしたり、濡れタオルをかけて送風し体温を下げます。ただし、保冷剤などで急激に体温を下げると末梢血管が収縮し、温度の高い血液が全身を循環することで状態を悪化させてしまうことがあり、注意が必要です。脱水に対し輸液を行い、臨床徴候に応じてそれぞれの治療を行います。重度の場合は、集中治療室での入院管理が必要になることもあります。
【予後】
重症度によって異なりますが、死亡率は50〜56%と言われています。冷却処置を開始する時間が早ければ早いほど救命できる可能性が高くなります。いち早く治療を開始することが重要となります。
【熱中症を防ぐには?】
- エアコンや扇風機などを使用し室内が高温にならないようにしましょう。室温は26℃以下が理想です。
- お散歩や外出は涼しい時間に行い、適宜水分補給を行いましょう。
- 締め切った車内に動物を放置しないようにしましょう。


熱中症は命に関わる病気です。日頃から熱中症にならないように予防し夏を乗り切りましょう!!
熱中症かも?と思ったら早めに来院して下さい。
その他の記事
-
糖尿病性ケトアシドーシス
糖尿病性ケトアシドーシスとは内科エマージェンシーの1つであり、糖尿病が進行して発症します。発症メカニズムとしては、インスリン不足によりブドウ糖の細胞内への取り込みが減り、代…
7年前 -
尿管結石摘出術
尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが…
3年前
-
狂犬病の予防や症状、法律について解説 | 毎年接種の必要性とは?
”狂犬病予防接種”、皆さんは毎年きちんと接種されていますか?どうして毎年接種しないといけないの?接種の必要はあるの?と思う方もいるかもしれません。狂犬病は皆さんが思っている…
3年前 -
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは、子犬に最も多いとされる先天性疾患であり、その割合は7.2%にも及びます。特に小型犬種に多く発生し、大型犬と比較するとその発生リスクは12倍とも言われています…
7年前 -
犬アトピー性皮膚炎|病態について
アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…
2年前 -
肝中央区域の腫瘍および胆嚢を一括切除した犬の一例
近年では、獣医療の発達とともに犬猫の長寿化が認められるようになり、腫瘍と診断される子も増えてきています。腫瘍の中でも肝臓腫瘍は稀であり、肝臓自体は”沈黙の臓器”とも呼ばれ…
4か月前 -
若い子に稀に見られる疾患、先天性門脈体循環シャントとは? │ 早期発見や実際の治療法について
先天性門脈体循環シャントは主に若齢の犬ちゃんや猫ちゃんで稀に認められる病気です。 この疾患は特異的な臨床症状を示さないこともあり、詳しい検査をしないと見つからないこと…
1年前 -
猫の難病、猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説
猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫、特に子猫にとって命に関わる程の恐ろしい病気になります。猫伝染性腹膜炎はかつては”治らない病気”とされ、一度発症すると有効な治療法がなく、ほ…
4か月前 -
心タンポナーデ
心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…
3年前 -
犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも?
" 最近元気がない " や " 皮膚症状が出てくるようになった " といった症状が見られることはありませんか?もしかしたら、甲状腺機能低下症の初期症状かもしれません。 …
10か月前
