ご予約はこちら
045-932-5151
2023年4月9日

2022年の健康診断のまとめ

季節が過ぎるのは早いもので、あっという間に新年度を迎えました。

今年もワンちゃんのフィラリアの検査・予防が始まる時期になりました。

当院ではフィラリアの予防を始める前に血液検査を実施し、予防薬を始めるにあたって問題がないかを確認していますが、その際に残った血液を使って健康診断をお勧めしています。「健康診断ってやった方がいいの?」「うちの子は若いけど健康診断する必要がある?」などの疑問を持たれるオーナーさんもいらっしゃると思います。

このページでは前年(2022年)の4月~6月までに来院されて健康診断を実施したワンちゃん、ネコちゃんたちのデータをお見せします。

ワンちゃんはフィラリアの検査とともに健康診断をされる方が多く、280頭のワンちゃんが健康診断を実施されました。猫ちゃんはフィラリアの検査は実施しないので、春に限らず、年間を通して健康診断を実施される方がいらっしゃいました。ちなみに昨年度(2022年4月~2023年3月)に健康診断を実施したネコちゃんは計119頭でした。

ワンちゃんで少なくとも1つ以上の異常値が出た頭数はグラフの通りで、若い子たちでも40%程度で異常が見つかっています。10歳以上の高齢犬では80%ほどで異常値が見つかっています。

若いワンちゃんでも肝臓の数値(ALT)に異常が出ていることが多かったです。高齢になると中性脂肪の異常が増えており、それに伴ってか肝臓や膵臓の異常も多くみられました。

ネコちゃんでは特に高齢になると異常値が出る頭数が多かったです。

高齢のネコちゃんで出ている異常値は腎臓の数値ばかりでした。やはりネコちゃんは腎臓病に気を付けなければなりません。

このように若いワンちゃんでも異常が見つかることがあるため、病気の早期発見・早期治療につながります。春の予防シーズンに一緒に健康診断もしていきましょう。

※正確な検査結果を得るためには8時間程度の絶食が望ましいです。健康診断を希望される方は、朝ごはんを抜いて午前中の来院、もしくは朝ごはんを早めに食べて間食をせずに午後の診療時間にご来院ください。

その他の記事

  • リンパ節生検を実施した犬の小細胞性リンパ腫/慢性リンパ球性白血病(CLL)の症例

     慢性リンパ球性白血病(CLL)は腫瘍化したリンパ系細胞が分化能を有しているために成熟リンパ球が増加する疾患で、腫瘍性病変の原発部位が骨髄である場合は慢性リンパ性白…

    12か月前
  • 2025年 春の健康診断の結果をまとめました!

    こんにちは!春のフィラリア検査・健康診断シーズンが終わり、すっかり真夏の暑さが到来しています。
    今年もたくさんのわんちゃん・ねこちゃん達が健康診断のために来院してくれ…

    2か月前
  • 2024年の春の健康診断まとめ

    今年も春の予防シーズンが落ち着き、夏本番が近づいてきていますね。今年は早い時期から猛暑が続いているので、熱中症には十分気をつけて下さい。 ここからは、今年度の4~6月…

    1年前
  • 2025年 春の健康診断の結果をまとめました!

    こんにちは!春のフィラリア検査・健康診断シーズンが終わり、すっかり真夏の暑さが到来しています。
    今年もたくさんのわんちゃん・ねこちゃん達が健康診断のために来院してくれ…

    2か月前
  • 糖尿病性ケトアシドーシス

    糖尿病性ケトアシドーシスとは内科エマージェンシーの1つであり、糖尿病が進行して発症します。発症メカニズムとしては、インスリン不足によりブドウ糖の細胞内への取り込みが減り、代…

    5年前
  • 全耳道切除・鼓室法切開

    慢性外耳炎・中耳炎  慢性外耳炎は、日常の診療でよく遭遇する疾患です。この疾患はどの犬種にも生じますが、特にアメリカン・コッカー・スパニエルやシーズーなど原発性脂漏症…

    3年前
  • 犬の乳腺腫瘍

     犬の乳腺腫瘍とは、雌犬で一般的に認められる腫瘍であり、雌犬の全腫瘍中52%を占め、約半数が悪性です。臨床徴候としては乳腺内に単一または多発性に結節を認め、悪性の場合は急速…

    2年前
  • フィラリア予防

    毎年春になるとフィラリア予防という言葉を耳にすると思います。なんとなくわんちゃんに害がありそうだから、健康診断のついでにやっておこうかな?本当にフィラリアの検査って必要なの…

    2年前
  • 先天性門脈体循環シャント

     先天性門脈体循環シャントは生まれつき血管に異常のある病気です。なんとなく元気がなかったり、成長が悪かったりと特異的な臨床徴候を出さないこともあり、血液検査をしないとわから…

    2年前
  • 食道バルーン拡張術にて治療した食道狭窄の猫の1例

    食道狭窄とは食道内腔が異常に狭くなることで嚥下障害が生じる病態のことを言います。 主な原因としては、薬物や化学物質による化学的な粘膜傷害、過度な嘔吐や胃酸の逆流(逆流…

    7か月前