2023年度 春の健康診断 結果報告🌸
こんにちは、しょう動物病院です。
今年もあっという間で、残すところ後2か月となりました。急に冷え込み体調を崩してしまう子が増えたように感じます。
例年通り、今年もフィラリア予防の時期に合わせて「春の健康診断」を実施いたしました。今回はその結果を皆様と共有したいと思います。

今年健康診断をしていただいた動物さんは、合計でワンちゃん203頭、ネコちゃん39頭でした。このうち、1項目でも異常があった子は、ワンちゃん52%、ネコちゃん51%と、約半分の子が異常値ありという結果になりました。


ワンちゃんもネコちゃんも、やはり高齢になるにつれて異常値がある子の割合が高くなっています。
ここからはワンちゃん、ネコちゃんそれぞれについて詳しく見ていきます。
まずはワンちゃんの年齢別の結果です。



若齢の子ではASTやALTといった肝酵素の上昇が目立ちました。10歳以上の子では、ALPやTG(中性脂肪)、LIPAといった内分泌疾患や膵臓に関わってくる数値の上昇が目立っています。
次にネコちゃんの年齢別の結果です。


やはりネコちゃんでは高齢になるにつれて腎臓の数値が高くなっており、特に10歳以上の子においては全頭に腎数値の上昇がみられました。
高齢になるにつれて体調を崩すことが多くなり、病院で検査をしていただく機会も増えます。
しかし今回の結果を見ていただくと分かる通り、若齢の子で症状が出ていなくても異常値があることが少なくありません。
特にネコちゃんは体調の悪さをあまり表面に出さないので、何かおかしいと気が付いた時には重症化してしまっていることがあります。
ワクチンやノミダニ予防の認識がワンちゃんほど広がっておらず、病院に来る機会が少ないことも発見が遅れる原因の一つです。
どんな病気が隠れているにしろ、症状が出る前に対処してあげることが大切です。
春だけでなく、年中健康診断は受け付けておりますので、お気軽にお問い合わせください!
その他の記事
-
胆泥症・胆嚢粘液嚢腫
胆嚢とは、肝臓で作られた胆汁の貯留を行う臓器で、方形葉と内側右葉に埋まるように位置しています。胆嚢から発生する疾患には胆石、胆泥、胆嚢粘液嚢腫および胆嚢炎などがあります。…
3年前 -
心タンポナーデ
心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…
2年前
-
猫の子宮蓄膿症は若い子でも発症する?原因と治療について。
「子宮蓄膿症」とは、避妊手術をしていない女の子の犬/猫ちゃんの子宮に細菌が感染し、膿が溜まってしまう病気です。 今回は猫の子宮蓄膿症について詳しく解説します。 …
12か月前 -
両側に胸腔ドレーンを設置し救命した膿胸の猫
救急診療時間内にきた膿胸の猫の一例を紹介いたします。 症例 雑種猫 1歳 避妊メス 数日前から元気がなく今日になって呼吸が苦しそうとのことで来院されました。…
1年前 -
紐状異物
紐状異物は危険な異物の一つで、特に猫に多く見られます。 消化管は食べ物を消化・吸収するために蠕動運動をしています。紐によって手繰り寄せられた消化管は、蠕動運動によって…
2年前 -
角膜疾患(潰瘍性角膜炎)
角膜疾患とは、角膜、いわゆる黒目の部分に起こる疾患を指します。角膜疾患では「目を開けずらそう」「涙や目ヤニの量が多い」「まぶしそうにしている」という症状がよく見られます。 …
2年前 -
皮膚科
皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」、「皮膚が赤く…
2年前 -
膝蓋骨脱臼
膝蓋骨脱臼とは、子犬に最も多いとされる先天性疾患であり、その割合は7.2%にも及びます。特に小型犬種に多く発生し、大型犬と比較するとその発生リスクは12倍とも言われています…
5年前 -
肥満細胞腫
肥満細胞腫は、犬の皮膚腫瘍のうち20%前後を占めるため、犬の腫瘍では遭遇することの多い疾患にあたります。主にしこりの付近のリンパ節、続いて肝臓、脾臓へ転移することも多いため…
3年前 -
炎症性腸疾患<IBD>、慢性腸症
炎症性腸疾患<inflammation Bowel disease:IBD>
慢性腸症<chronic entropathy:CE> 小腸または大腸の粘膜固…6年前