ご予約はこちら
045-932-5151
2025年3月17日

犬と猫の予防接種の重要性について

愛犬や愛猫の健康を守るために、予防接種はとても大切です。

予防接種は、犬や猫の健康を守るだけでなく人にも影響を及ぼす感染症を防ぐ重要な役割を果たします。

なぜ予防が必要なのかを知ることで、より安心して予防接種に臨めるでしょう。



予防接種の目的について

ワクチンとは、病原体の一部を体内に投与し、免疫を作ることで病気に対する抵抗力を高めるものです。

これにより、実際に病原体が体内に入っても、あらかじめ獲得した免疫によって撃退できるようになります。

犬や猫に必要な予防接種は、大きく分けて以下の4つです。

狂犬病ワクチン(犬のみ。法律で義務付けられている)

混合ワクチン(感染症予防のため)

ノミ・マダニ予防(寄生虫対策)

フィラリア予防(蚊を媒介とする寄生虫対策)

それぞれ詳しく見ていきましょう。

狂犬病ワクチン

狂犬病は、すべての哺乳類に感染するウイルス性疾患で、発症するとほぼ100%死亡する非常に危険な病気です。

感染経路は、狂犬病ウイルスを持つ動物に咬まれることで体内に侵入します。

人にも感染するため、世界中で対策が進められています。

■狂犬病ワクチンの接種義務について
日本では「狂犬病予防法」により、生後91日以上の犬には毎年1回の接種が義務付けられています。

違反すると罰金が科せられることもあるため、必ず接種しましょう。

当院では、狂犬病ワクチンの接種を随時受け付けております🏥 接種をご希望の方は、お早めにご予約ください。

混合ワクチン

混合ワクチンは、犬と猫が感染しやすい病気を予防するためのワクチンです🧪

ワクチンには「コアワクチン」と「ノンコアワクチン」の2種類があり、生活環境やリスクに応じて接種を決定します。

■犬の混合ワクチン
当院では、単味ワクチン、PUPPY DP、5種および7種の混合ワクチンをご用意しています。

コアワクチンとして、以下の病気を予防できます。

犬ジステンパーウイルス感染症
犬伝染性肝炎(アデノウイルス1型)
犬伝染性喉頭気管炎(アデノウイルス2型)
犬パルボウイルス感染症

一方で、ノンコアワクチンには以下が含まれます。

犬パラインフルエンザウイルス感染症
レプトスピラ感染症(カニコーラ型)
レプトスピラ感染症(イクテロヘモラジー型)

愛犬のライフスタイルや健康状態に応じて、最適なワクチンを選択できますので、獣医師にご相談ください。

■猫の混合ワクチン
当院では、3種および5種の混合ワクチンをご用意しております。

猫の場合、コアワクチンとして以下の感染症を防ぎます。

猫ウイルス性鼻気管炎(ヘルペスウイルス)
猫カリシウイルス感染症
猫汎白血球減少症(猫パルボウイルス感染症)

さらに、ノンコアワクチンには以下が含まれます。

猫クラミジア感染症
猫白血病ウイルス感染症

飼育環境や感染リスクに応じて最適なワクチンを選択できますので、ぜひご相談ください。

ノミ・マダニ予防

ノミやマダニは単なる寄生虫ではなく、重篤な病気を媒介する危険な存在です。

特に、マダニは「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」という人にも感染する病気を広めることがあり、注意が必要です。

フィラリア予防

フィラリア症は、蚊によって媒介される寄生虫が心臓や肺に寄生する病気で、放置すると命を落とすこともあります。

予防薬を適切に投与することで予防できるため、通年の予防が大切です。

さいごに

ワクチン接種や寄生虫予防は、愛犬や愛猫の健康を守るために欠かせません。

また、これまで土日のみだった予防診療枠を4~5月は平日の予約枠も拡大しました。
予防シーズンは混雑が予想されますので、事前のご予約をおすすめします。

■予防のご予約はこちらから

その他の記事

  • 総合診療科

    例えば、嘔吐や下痢が認められれば、何となく消化器が悪いのかな?と考えることができますし、咳をしていれば呼吸器かな?と予測することができます。しかし、「なんかいつもと様子が違…

    2年前
  • 尾状葉乳頭突起の肝葉切除(肝細胞癌) 

    犬の肝臓の腫瘍性疾患において一番多く発生する腫瘍は肝細胞癌です。日常の臨床的にもよく遭遇する腫瘍で、発生の形態によって孤立性、多発性、び慢性に分けられます。経過としては徐々…

    12か月前
  • 犬の口腔内無顆粒性悪性黒色腫

    犬の口腔内腫瘍には悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫など様々な種類の腫瘍が発生することが報告されています。この中でも悪性黒色腫は口腔内腫瘍の中で最も発生率の高い腫瘍とされ、半…

    1年前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    2年前
  • 整形外科

     整形疾患というと骨折が思い浮かぶと思いますが、その他にもワンちゃんネコちゃんで起こりやすい整形疾患があります。このページでは代表的な整形疾患に関してご紹介していきます。 …

    2年前
  • 熱中症

    熱中症とは? 熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱が…

    3週間前
  • 腎瘻チューブの設置により尿管が疎通した腎盂腎炎の症例

    腎孟腎炎は腎孟および腎実質の炎症で,原因としてもっともよくみられるのは細菌感染です。 今回は腎盂腎炎に伴い尿管閉塞を起こした猫に対して、経皮的に腎瘻チューブを設置し、…

    3年前
  • 慢性腸症

      慢性腸症の定義   『対症療法に抵抗性または再発性で3週間以上続く慢性の消化器症状を呈し、一般的な血液検査や画像検査で原因の特定には至らない、原因不明…

    2年前
  • 犬の外傷性股関節脱臼

    犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主に…

    10か月前
  • 消化管穿孔

    消化管穿孔は外傷、異物、腫瘍など様々理由で生じます。今回は消化管の穿孔により細菌性腹膜炎を生じた猫を紹介いたします。 雑種猫 2歳9カ月 去勢雄 数日前から食欲…

    2年前