ご予約はこちら
045-932-5151
2024年10月3日

犬アトピー性皮膚炎|病態について

アトピー性皮膚炎とは、

「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」

と定義されています。

「遺伝的素因」を有している、つまりは遺伝的に皮膚が弱い状態ということです。

皮膚が弱いと、細菌や花粉などの外からの様々な刺激を受けやすくなるため、炎症や痒みが出てしまいます。

 

両親がアトピーだと約65%の子が、片親がアトピーだと約20~50%の子がアトピーを発症してしまうことが分かっています。

   

======================

「 対策は? 」

ここで注目したいのは、遺伝疾患でも100%発症するわけではないということです。

発症する子と発症しない子の違いに注目すると、解決方法が浮かんできます。

それは、働く免疫細胞の違いです。

 

 

アレルギー/アレルギーの主役はT細胞と呼ばれる免疫細胞です。

T細胞の中にはTh1細胞Th2細胞があり、アレルゲン(例えば花粉)に対してどちらが強く反応するかでアレルギー反応が出るかが決まります。

例を挙げると、自然豊かな環境で育った子は、細菌やウイルスなどの様々な微生物に触れることでTh1細胞が主体として働き、自然免疫が発達することでアレルギー反応が出にくくなります。

整えられた環境で微生物に触れずに育った子は、Th2細胞が主体となってしまい、アレルギー反応が出やすい体になってしまうのです。

この免疫システムは子犬・子猫の時に確立されるもので、大きくなってからは変えることができません。

つまり、体質的にアトピーになってしまうということなのですが、理論上、Th2細胞を抑制すればアレルギー反応は出なくなります。これを担ってくれるのが制御性T細胞(Treg細胞)という細胞です。

Treg細胞は、腸内細菌叢が整っていると活性化(詳しい論文はこちらから)され、効果を発揮しやすくなることが分かっています。

つまり、腸内環境を整えることがアトピー症状を改善させる第一歩となるのです。

腸内環境を整える代表的なものとして「乳酸菌」が挙げられます。

もちろん乳酸菌と言ってもたくさん種類はありますが、その中でもパラカゼイ菌(lactobacillus paracasei)と呼ばれる乳酸菌が特に皮膚の状態改善に効果があるとされており、人の方でもこの菌が含まれている皮膚のサプリメントが多く存在します。

わんちゃんの皮膚のサプリメントの中では「FINAL ANSWER」というサプリメントにこのパラカゼイ菌が豊富に含まれており、当院でも皮膚で悩まれている多くの患者様に使っていただいています。

  

FINAL ANSWER公式HPはこちらから

======================

ここまで、犬アトピー性皮膚炎の病態についてお話ししました。

また別の記事で詳しい治療方法についてお話しようと思いますので、そちらも是非ご覧ください。

  

  

⇩こらも是非ご覧ください⇩

アトピー性皮膚炎|治療の2本柱

皮膚科診療

  

その他の記事

  • 膝蓋骨脱臼

    膝蓋骨脱臼とは、子犬に最も多いとされる先天性疾患であり、その割合は7.2%にも及びます。特に小型犬種に多く発生し、大型犬と比較するとその発生リスクは12倍とも言われています…

    6年前
  • 犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~症状編~

    こちらの記事では副腎腫瘍の症例で良く認められる症状について解説していきます。 副腎腫瘍の性質や種類によって出てくる症状は様々になります。 ぜひ最後までお読みいた…

    6か月前
  • 皮膚科

     皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」、「皮膚が赤く…

    3年前
  • 犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! ~治療編~

    こちらの記事では慢性腎臓病(CKD)の治療法について解説していきます。 今までの記事でも解説した通り、慢性腎臓病の治療法はステージによって治療も異なります。 …

    2か月前
  • 犬の乳腺腫瘍

     犬の乳腺腫瘍とは、雌犬で一般的に認められる腫瘍であり、雌犬の全腫瘍中52%を占め、約半数が悪性です。臨床徴候としては乳腺内に単一または多発性に結節を認め、悪性の場合は急速…

    3年前
  • 犬と猫の混合ワクチンについて | どれが家の子に合うの?

    コロナの影響によって”ワクチン”という言葉をよく耳にするかと思います。わんちゃん、ねこちゃんと一緒にいると、はがきなどによって混合ワクチンのお知らせが届くと思います…

    3年前
  • 先天性疾患 心膜横隔膜ヘルニア整復

    腹膜心膜横隔膜ヘルニア(Peritoneopericardial Diaphragmatic Hernia;PPDH)は、「心膜横隔膜ヘルニア」とも呼ばれる、先天的に発生す…

    6か月前
  • 犬の口臭の裏に潜むリスクとは?|考えられる原因と対策を解説

    愛犬の顔に近づいたとき、「いつもより口が臭うかも…」と感じたことはありませんか? こうしたニオイは単なる不快な症状ではなく、犬の体の中で起きている異常を知らせ…

    10か月前
  • 酸素中毒とは? | 酸素濃度は高ければいいわけではない!気を付けたい酸素中毒について

    皆さんは "酸素中毒" というものをご存じでしょうか。スキューバダイビングなどで酸素ボンベを使ったことがある方は耳にされたことがあるかもしれませんが、実は酸素にも中毒があ…

    4年前
  • 腹腔鏡下避妊手術

    開腹手術では上からの視点のみで、傷口を大きく開かない限り腹腔内をよく観察することは難しいです。 胆嚢や肝臓 膀胱 …

    2年前