2025年10月23日
犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~症状編~
こちらの記事では副腎腫瘍の症例で良く認められる症状について解説していきます。
副腎腫瘍の性質や種類によって出てくる症状は様々になります。
ぜひ最後までお読みいただき参考にしてください。
よく見られる症状は?
副腎腫瘍には、機能性および非機能性の2種類がありますが、非機能性は多くが無症状です。
機能性の副腎腫瘍の症状は、腫瘍の種類とそれに伴うホルモン過多によって引き起こされます。
1. 皮質の腫瘍

コルチゾール産生腫瘍
いわゆるクッシング症候群と言われる症状が出ます。
・ 多飲多尿
・ 腹囲膨満
・ 左右対称性脱毛
・ 皮膚の菲薄化 など。
アルドステロン産生腫瘍
アルドステロンとは、腎臓に作用してカリウムの排出を促進、さらに水分とナトリウムの吸収を促進し結果として血圧を上げる作用を持っています。ですので、アルドステロンが過剰になると、これに伴った症状が出てきます。
・ 多飲多尿
・ 高血圧
・ 元気低下・・・筋肉を動かすためにはカリウムが必要なので、低カリウム血症になると筋肉が動かせなくなり活動性が落ちることがあります。
・ 不整脈・・・心臓の筋肉を動かすのにもカリウムが必要ですので、低カリウム血症で不整脈が出る可能性があります。
性ホルモン産生腫瘍
オスとメスで出る症状が少し変わります。脱毛や多飲多尿は両方で見られますが、メスでは乳腺の腫れ、オスでは攻撃性の増加などが見られることがあります。
2. 髄質の腫瘍=褐色細胞腫

髄質の腫瘍、つまり褐色細胞腫の場合は症状は非特異的で、食欲不振、嘔吐下痢、体重減少、多飲多尿、パンティング、高血圧、虚脱などが見られることがあります。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
副腎腫瘍についてはこちらのリンクからそれぞれのページに飛べますのでぜひご参考にしてみてください。
▼ 副腎腫瘍とは?
▼ 治療について
その他の記事
-
猫の盲腸腺癌
猫の体重減少には様々な原因があります。甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病や腫瘍などが代表的な疾患です。特に、このような病気は急激に体調に変化をもたらすわけではなく、ゆっく…
4年前 -
食道バルーン拡張術にて治療した食道狭窄の猫の1例
食道狭窄とは食道内腔が異常に狭くなることで嚥下障害が生じる病態のことを言います。 主な原因としては、薬物や化学物質による化学的な粘膜傷害、過度な嘔吐や胃酸の逆流(逆流…
1年前
-
猫の乳腺腫瘍
猫の乳腺腫瘍は犬の乳腺腫瘍と比較して悪性度が高く、おおよそ80%が悪性の癌であると言われています。雌猫に発生する腫瘍のうち17%が乳腺腫瘍であり、比較的発生率の多い腫瘍で…
1年前 -
犬の股関節脱臼の外科的整復(大腿骨頭切除)
犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主…
1年前 -
犬の尿石症について ~症状や治療法について説明します~
尿石症とは?
尿石症とは、腎臓や尿管、膀胱、尿道などの尿路のいずれかの部位に結石ができる病気です。結石が存在する部位によって、…12か月前 -
犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)
犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD) 僧帽弁閉鎖不全症(以下 MMVD)は犬の心臓病の代表的な疾患です。犬の心臓の構造は人と類似しており、2心房2心室で…
3年前 -
鼻梁にできた多小葉性骨腫瘍
多小葉性骨腫瘍は犬の頭蓋骨にできることの多い骨の腫瘍です。局所で拡大し脳を圧迫することで神経症状を示すことも少なくありません。今回は鼻梁部(鼻と頭蓋骨の間)にできた多小葉性…
3年前 -
尾状葉乳頭突起の肝葉切除(肝細胞癌)
犬の肝臓の腫瘍性疾患において一番多く発生する腫瘍は肝細胞癌です。日常の臨床的にもよく遭遇する腫瘍で、発生の形態によって孤立性、多発性、び慢性に分けられます。経過としては徐々…
2年前 -
猫の盲腸腺癌
猫の体重減少には様々な原因があります。甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病や腫瘍などが代表的な疾患です。特に、このような病気は急激に体調に変化をもたらすわけではなく、ゆっく…
4年前 -
膝蓋骨脱臼の整復
膝蓋骨脱臼は小型犬に多い整形疾患です。膝蓋骨が大腿骨の滑車溝から外れてしまうことで膝関節伸展機構が正常に機能せず、膝をうまく伸ばせない状態になってしまいます。典型的な臨床…
3年前
