副腎皮質機能低下症(アジソン病)について解説 | 最近いつもより元気や食欲がないは病気のサインかも?~検査・診断編~
こちらの記事では副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症状について解説していきます。
副腎皮質機能低下症(アジソン病)は特徴的な外豹の変化がないため、検査が重要となってきます。
ぜひ最後までお読みいただいてご参考にしていただければと思います。

必要な検査および診断は?

① 一般血液検査・生化学検査
まず血液検査を行い、アジソン病を疑う手がかりを探します。
特徴的な所見としては、以下の通りです。
・ナトリウム(Na)の低下
・カリウム(K)の上昇
・Na/K比の低下
・腎数値の上昇
・低血糖
・貧血
・低コレステロール、低タンパク血症
・CRP(炎症マーカー)の高値
これらが見られる場合は、アジソン病を強く疑い、次のホルモン検査へ進みます。

②ACTH刺激試験(確定診断)
アジソン病の確定にはACTH刺激試験を行います。
これは、副腎を刺激するホルモン(ACTH)を注射し、その前後の血中コルチゾール濃度を比較する検査です。
検査の流れ
1. 採血して、ACTH投与前の血中のコルチゾール値を測定
2. 合成ACTHを筋肉に注射
3. 約一時間後に再度採血し、ACTH投与後のコルチゾール値を測定
検査の結果
健康な犬 :ACTHを投与すると副腎が刺激されてコルチゾール値がしっかり上昇します
アジソン病の犬 :ACTHを投与して副腎を刺激しても反応せず、コルチゾール値が上昇しません
この結果から、アジソン病と確定診断することができます。

③腹部超音波検査
副腎のサイズ確認をします。アジソン病では萎縮していることが多いです。

※萎縮した副腎の超音波検査画像です
副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、特異的な臨床症状がないため定期検査が重要になってきます。
早期発見のためにも定期検査はお勧めいたします。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
副腎皮質機能低下症(アジソン病)についてはこちらのリンクからそれぞれのページに飛べますのでぜひご参考にしてみてください。
▼ 治療について
その他の記事
-
発作重責・脳炎
犬によく見られる特発性髄膜脳脊髄炎の一種で、多因性の疾患であり、明確な原因は不明です。臨床症状は大脳病変の部位によって異なり、発作や虚弱、旋回運動、視覚障害などを呈し、最終…
7年前 -
ワクチンによるアナフィラキシーショック
毎年たくさんのワンちゃんネコちゃんが予防接種のために来院しています。 病原体の病原性を弱めたり無毒化したものをワクチンとして接種することで、 恐ろしい感染症に対…
2年前
-
犬や猫だけでなく、ヒトにも感染する”SFTS”について
SFTS(重症熱性血小板減少症候群)とは、マダニを媒介してヒトや動物に感染するウイルス性の人獣共通感染症です。2013年に初めて国内患者の発生が認められ、西日本を中心に発生…
2か月前 -
低侵襲手術(内視鏡を用いた膀胱結石の摘出)
膀胱結石は犬、猫ともに発生頻度の多い泌尿器疾患です。体質により再発を繰り返すことが多いですが、手術時に細かな結石を取り残してしまうことによって術後早期に膀胱内に結石が確認…
3年前 -
心室中隔欠損症(VSD)
心臓は、様々な臓器に酸素を供給するために血液を送り出す器官です。 全身に酸素を供給した血液(=酸素が少ない血液。青い部分)を取り込んで、肺で酸素を取り込んだ血液(…
3年前 -
犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! 〜症状編〜
こちらの記事では、慢性腎臓病(CKD)でよくみられる症状について解説していきます。 腎臓は体内の老廃物を排出したり、体液や電解質のバランスを保ったりと重要な臓器です…
9か月前 -
角膜疾患(潰瘍性角膜炎)
角膜疾患とは、角膜、いわゆる黒目の部分に起こる疾患を指します。角膜疾患では「目を開けずらそう」「涙や目ヤニの量が多い」「まぶしそうにしている」という症状がよく見られます。 …
3年前 -
皮膚科
皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」、「皮膚が赤く…
3年前 -
口腔内腫瘤に対して下顎部分切除を実施した犬の1症例
犬の口腔内腫瘍には悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫など様々な種類の腫瘍が発生することが報告されています。この中でも、悪性黒色腫は悪性度の高い口腔内腫瘍の中で最も発生率の高…
3か月前 -
高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫
消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。 症例 猫 雑…
2年前
