ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2025年12月5日

副腎皮質機能低下症(アジソン病)について解説 | 最近いつもより元気や食欲がないは病気のサインかも?~治療編~

こちらの記事では副腎皮質機能低下症(アジソン病)の症例で必要な治療について解説していきます。

副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、生涯にわたる投薬が必要になりますが、適切に維持ができれば、普通の子と同じくらいの寿命を生きることができます。

治療について解説しますので、ぜひ最後までお読みいただき参考にしていただければと思います。

 

治療法は?

欠乏したグルココルチコイドおよびミネラルコルチコイドの補充療法を行います。治療は生涯にわたって継続する必要がありますが、医原性副腎皮質機能低下症では一時的な補充のみ行う場合もあります。

急性腎不全によりショック状態の犬には緊急治療が必要であり、静脈内輸液による脱水や低循環、電解質異常、低血糖の補正を行います。ACTH刺激試験後にデキサメサゾンを投与し、一般状態が改善したのちに以下の維持療法に移行します。

<維持治療>

①フルドロコルチゾン(フロリネフ錠)

ミネラルコルチコイドとグルココルチコイド両者の作用をもつためアジソン病の治療に適しています。治療開始時には、グルココルチコイド作用を補うためにプレドニゾロンを併用し漸減していきます。

副腎皮質機能低下症の薬(フロリネフ)

②ピバル酸デソキシコルチコステロン(DOCP、薬剤名:パーコテン)

ミネラルコルチコイドとしてピバル酸デソキシコルチコステロン(DOCP)が使用されます。DOCPは強いミネラルコルチコイド作用を持ちますが、グルココルチコイド作用はもたないためプレドニゾロンなどのグルココルチコイドと併用します。25日に1回、筋肉内または皮下投与します。

副腎皮質機能低下症の薬(パーコテン)

③プレドニゾロン

グルココルチコイドとしてプレドニゾロンが使用されます。ストレス時には用量を増加・調整する場合もあります。

副腎皮質機能低下症の薬(プレドニゾロン)

このように、不足しているホルモンによって治療薬が異なります。

副腎皮質機能低下症(アジソン病)は、残念ながら完治が難しい病気であり、生涯にわたる投薬が必要になりますが、適切な治療を行えば、普通の子と同じ寿命を生きることが可能となります。

また、過剰なストレスはショック(副腎クリーゼ)を引き起こす可能性もありますので、環境の変化や過剰なストレスがかかりそうな場合は注意しましょう。

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

副腎皮質機能低下症(アジソン病)についてはこちらのリンクからそれぞれのページに飛べますのでご参考にしてください。

 

副腎皮質機能低下症(アジソン病)とは?

よく見られる症状について

必要な検査および診断について

その他の記事

  • 尿管結石摘出術

      尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが…

    3年前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    3年前
  • アレルギー食|たくさんありすぎてどれを選んでいいか分からない?種類と使い分けについて

    ペットショップや薬局のペットフードコーナーで「アレルギー体質の子向け」と書かれたフードを見かけたり、獣医さんから「アレルギーかも」と言われたことはありますか? アレル…

    1年前
  • 副腎腫瘍

    副腎腫瘍にはいくつか分類があり、その由来として副腎皮質由来か副腎髄質由来かで分けられ、ホルモンを実際に産生・分泌するかどうかで機能性のものと非機能性のものに分けられます。副…

    6年前
  • 幽門狭窄の症例に対して内視鏡下でポリペクトミーを実施した犬の1例

    ご飯を食べてから時間が経っているのに吐き戻すなんてことはありませんか? 嘔吐という症状はよく認められる症状のひとつなため、どんな疾患でも考えられるものになります。…

    4か月前
  • 犬の外傷性股関節脱臼

    犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主に…

    2年前
  • 鼻梁にできた多小葉性骨腫瘍

    多小葉性骨腫瘍は犬の頭蓋骨にできることの多い骨の腫瘍です。局所で拡大し脳を圧迫することで神経症状を示すことも少なくありません。今回は鼻梁部(鼻と頭蓋骨の間)にできた多小葉性…

    3年前
  • 犬アトピー性皮膚炎|病態について

    アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…

    2年前
  • 消化管穿孔

    消化管穿孔は外傷、異物、腫瘍など様々理由で生じます。今回は消化管の穿孔により細菌性腹膜炎を生じた猫を紹介いたします。 雑種猫 2歳9カ月 去勢雄 数日前から食欲…

    3年前
  • 胸腺腫摘出を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説

    胸腺腫とは犬や猫で稀に発生する前縦隔腫瘍の一つです。 胸腺は若齢動物では発達していますが、基本的に成長とともに萎縮し小さくなります。胸腺腫では、この胸腺の上皮細胞が…

    5か月前