ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2025年12月24日

犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~症状編~

こちらの記事では甲状腺機能低下症の症例で認められやすい症状について解説していきます。

甲状腺ホルモンは全身的に作用するため、症状も様々なものが認められます。

ぜひ最後までお読みいただき参考にしてください。

臨床症状

甲状腺機能低下症の子では以下の症状が認められることがあります。

 ・元気消失:歩いたり起立を嫌がる

 ・皮膚症状:皮膚の肥厚、上眼瞼・口唇の肥厚、脱毛、脂漏・落屑、細菌などの2次感染

 ・神経症状:末梢神経症状(姿勢反応の低下)、脳神経症状(斜頸、顔面神経麻痺)

       中枢神経症状(嗜眠、昏睡、てんかん発作の増悪)

 ・低体温

 ・徐脈

 ・肥満

 ・便秘

 ・雌犬の無発情

 ・食道拡張(まれに)

 

ほとんどすべての症例で認められる臨床症状は元気消失ですが、軽度だと気付かない場合も多いです。神経症状は症例の半数またはそれ以上で認められることがあります。

また、皮膚症状も多くの犬で認められ、とくに皮膚の肥厚や上眼瞼・口唇の肥厚が認められます。上眼瞼や口唇の皮下にはムチンが蓄積し浮腫状になるため粘液水腫ともいわれます。この状態に陥ると、悲しそうな表情に似たように見えるため「悲劇的顔貌」ともいわれます。皮膚の代謝障害のため、脂漏・落屑や細菌や真菌などの二次感染も多く認められます。

甲状腺機能低下症の犬で認められる悲劇的顔貌の様子

↑悲劇的顔貌の例

‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥

 

こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。

 

▼ 甲状腺機能低下症とは?

▼ 必要な検査および診断について

▼ 治療法について

 

その他の記事

  • 若い子に稀に見られる疾患、先天性門脈体循環シャントとは? │ 早期発見や実際の治療法について

    先天性門脈体循環シャントは主に若齢の犬ちゃんや猫ちゃんで稀に認められる病気です。 この疾患は特異的な臨床症状を示さないこともあり、詳しい検査をしないと見つからないこと…

    1年前
  • 犬の急性膵炎について解説 | 実は重症化すると命に関わる可能性のある恐ろしい病気です

    ”急にお腹を痛がりだした”、”ぐったりしてなにもご飯をたべない”などの症状が見られることはありませんか?このような症状が見られる場合は急性膵炎の可能性があります。 …

    1週間前
  • 最新の論文から考える〜犬の避妊手術、いつやるの?〜

    はじめに 犬の避妊手術の適期は、犬種や性別によって大きく異なります。一般的なガイドラインを全ての犬に適用することはできず、個々の犬の健康状態や生活状況を考慮した個別化…

    10か月前
  • 猫の難病、猫伝染性腹膜炎(FIP)について解説

    猫伝染性腹膜炎(FIP)は、猫、特に子猫にとって命に関わる程の恐ろしい病気になります。猫伝染性腹膜炎はかつては”治らない病気”とされ、一度発症すると有効な治療法がなく、ほ…

    3か月前
  • 腹腔鏡下にてシャント血管結紮術を実施した犬の1例

    先天性門脈体循環シャントとは、主に若齢の犬や猫で稀に認められる病気です。名前の通り先天的(生まれつき)な病気で、肝臓に流入する血管(門脈)と全身循環(静脈)の間に異常な血…

    2か月前
  • 消化器科

    『消化器疾患』吐出、嘔吐や下痢、食欲不振や体重減少などが認められたら消化器疾患を考えます。消化器とは、口、のど、食道、胃、小腸(十二指腸・空腸・回腸)、大腸、肛門まで続く消…

    3年前
  • 犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~治療編~

    こちらの記事では副腎腫瘍の症例での必要な治療について解説していきます。 副腎腫瘍の治療では大きく外科治療と内科治療に大きく分けられます。 それぞれの治療法を解説…

    11か月前
  • 犬の乳腺腫瘍

     犬の乳腺腫瘍とは、雌犬で一般的に認められる腫瘍であり、雌犬の全腫瘍中52%を占め、約半数が悪性です。臨床徴候としては乳腺内に単一または多発性に結節を認め、悪性の場合は急速…

    3年前
  • 犬の股関節脱臼の外科的整復(大腿骨頭切除)

    犬の起こりやすい外科疾患の中に股関節脱臼というものがあります。股関節脱臼は全ての外傷性脱臼の中でも最も発生が多く、全ての年齢に起こり、犬種や性差に関係なく発生します。主…

    2年前
  • 胆嚢摘出術および総胆管ステント設置を実施した犬の1例

    胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢内に可動性の乏しい胆汁由来の粘液状物質が過剰に貯留した状態です。この粘液状物質が過剰に貯留してしまうと胆嚢拡張を起こしたり、胆汁の流れ出る通り道である…

    1年前