犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません! 〜症状編〜
こちらの記事では、慢性腎臓病(CKD)でよくみられる症状について解説していきます。
腎臓は体内の老廃物を排出したり、体液や電解質のバランスを保ったりと重要な臓器です。慢性的に腎機能が低下すると、さまざまな症状が少しずつ進行していくのが特徴です。気づきにくい初期症状から、進行的にみられるものまで様々な症状が認められます。
少しでも気になった場合はぜひ最後までお読みください。

よく見られる症状とは?
慢性腎臓病では様々な症状が認められます。
主に認められるものとして
・ 多飲多尿:腎臓の濃縮機能が低下することで、水分を保持できなくなり、多飲多尿になります。
・ 食欲不振/元気消失:老廃物の蓄積により、元気食欲が落ちていき、徐々に体重が減っていきます。
・ 口臭:体内の老廃物が血液中にたまり、独特な口臭の原因になります。
・ 嘔吐/下痢:老廃物の蓄積により、吐き気や消化管の不調を起こします。
・ 貧血:血液を作るホルモンが減少することで貧血になることがあります。
などがあります。
初期では、多尿、体重減少、被毛の艶の低下、食欲低下などが認められ、進行期になると元気食欲の廃絶、高度な体重減少、下痢、脱水消化管出血など様々な症状が出てくるようになります。

まとめ
慢性腎臓病は進行性の疾患であり、一度失われた腎機能は基本的に元には戻りません。しかし、早期に発見して適切な治療や食事管理を行うことで、進行を遅らせることが可能です。ご家庭で“いつもと違うかも”という気づきが健康を守る第一歩になります。気になる症状があれば、お早めにご相談ください。


‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
こちらのリンクよりそれぞれのページに移行できますので、ぜひご参考にして下さい。
▼ 慢性腎臓病とは?⇨こちらから
▼ 必要な検査および診断について⇨こちらから
▼ 治療法について
※こちらのリンクは1週間ごとに更新しております。リンクがない場合は更新までお待ちください。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
Q&A
Q. 慢性腎臓病は治りますか?
A. 完治することは出来ませんが、症状を遅らせることは可能です。
Q. 慢性腎臓病の子の食事はどうしたらいいですか?
A. 食事については腎臓病のステージによって、お勧めの種類が変わってきます。ある程度ステージが進行している場合には、蛋白質やリン、カルシウムなどの成分が調整されている療法食が推奨される場合があります。
Q. 早期発見のためにはどうしたらいいですか?
A. 多飲多尿、食欲不振、体重減少などの症状が出てきた場合には注意が必要です。
また、定期的な検診を実施することも早期発見に繋がります。
その他の記事
-
胆嚢摘出術および総胆管ステント設置を実施した犬の1例
胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢内に可動性の乏しい胆汁由来の粘液状物質が過剰に貯留した状態です。この粘液状物質が過剰に貯留してしまうと胆嚢拡張を起こしたり、胆汁の流れ出る通り道である…
1年前 -
副腎腫瘍
副腎腫瘍にはいくつか分類があり、その由来として副腎皮質由来か副腎髄質由来かで分けられ、ホルモンを実際に産生・分泌するかどうかで機能性のものと非機能性のものに分けられます。副…
7年前
-
両側に胸腔ドレーンを設置し救命した膿胸の猫
救急診療時間内にきた膿胸の猫の一例を紹介いたします。 症例 雑種猫 1歳 避妊メス 数日前から元気がなく今日になって呼吸が苦しそうとのことで来院されました。…
2年前 -
皮膚科
皮膚疾患はワンちゃんや猫ちゃんが予防以外で動物病院を受診する理由としてTOP3に入り、当院でも皮膚疾患で受診される方が多くいらっしゃいます。「痒がっている」、「皮膚が赤く…
3年前 -
循環器科
循環器疾患とは血液を全身に循環させる臓器(心臓や血管など)が正常に働かなくなる疾患のことです。代表的な疾患としては、心臓病(弁膜症、心筋症)、高血圧、脳血管障害などがありま…
3年前 -
低侵襲手術(内視鏡を用いた膀胱結石の摘出)
膀胱結石は犬、猫ともに発生頻度の多い泌尿器疾患です。体質により再発を繰り返すことが多いですが、手術時に細かな結石を取り残してしまうことによって術後早期に膀胱内に結石が確認…
4年前 -
2025年 春の健康診断の結果をまとめました!
こんにちは!春のフィラリア検査・健康診断シーズンが終わり、すっかり真夏の暑さが到来しています。
今年もたくさんのわんちゃん・ねこちゃん達が健康診断のために来院してくれ…1年前 -
肋間開胸術による犬の肺腫瘍切除
今回は他院にてレントゲン撮影をした際に肺腫瘍が見つかり、セカンドオピニオンとして当院を受診し、CT検査及び肺葉切除によって腫瘍を摘出した一例を紹介します。 a …
2年前 -
当院での避妊手術について、詳しい手術方法を解説します
皆さんが飼われているペットさんは避妊手術・去勢手術はされましたか?今回は当院での避妊手術について紹介したいと思います。 当院での避妊手術は「子宮卵巣摘出術」を採用…
3年前 -
犬の瞬膜腺脱出(チェリーアイ)とは? | 実際の手術写真を使って解説
瞬膜腺とは内眼角側にあるT字型の軟骨を支えに存在しています。この瞬膜は眼球の物理的な保護、眼脂の除去、涙を眼球に広げてくれるなどの働きがあり、瞬膜の裏側に存在するのが瞬膜腺…
1年前
