ご予約はこちら
045-932-5151
2025年5月27日

「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!

こんにちは!最近は日ごとに気温があがり、夏の暑さが本格的に到来しつつあります。

私たちヒトと同じように、動物も暑くなるとのどが渇いてたくさん水を飲むようになります。のどが渇くのは体の水分不足を感知して脱水を防ぐための正常な反応です。

一方で、何らかの病気にかかったワンちゃん・ネコちゃんは病的にたくさん水を飲みたがることがあり、これを「多飲多尿」と言います。今回はこの「多飲多尿」についてのおはなしです。

多飲多尿とは?

その日の気温や活動量によって変化はあるものの、健康なワンちゃん・ネコちゃんが一日に飲む水の量は大体決まっています。
・ワンちゃんの場合は体重1㎏あたり100ml 
・ネコちゃんの場合は体重1㎏あたり50ml
これを超える場合は多飲多尿という症状に当てはまり、病的に飲水量が増加している可能性が高くなります。たくさん水を飲むので、おしっこの回数や量も増えてきます。

多飲多尿の原因

多飲多尿がある場合、病気のせいでおしっこの量が増えていることがほとんどです。水分がおしっことしてたくさん出て行ってしまうので、それを補うために喉が渇き、水を飲む量が増えてしまいます。

ワンちゃんの場合、多飲多尿はホルモン疾患が隠れていることが多いです。代表的なものはクッシング症候群や糖尿病で、他にはアジソン病や尿崩症という病気も挙げられます。ホルモン疾患以外だと、腎臓病や子宮蓄膿症、肝不全、癌によるミネラル異常などがみつかることもあります。

ネコちゃんは水を飲まないことで膀胱炎などのおしっこのトラブルを起こすことがおおいので、飲水量や尿量が増えると安心する飼い主様もおおいのですが、中年齢以上のネコちゃんがたくさん水を飲むようになるのは病気の徴候の可能性が高いです。特に慢性腎臓病が多く、他には糖尿病や甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症、肝不全、泌尿器疾患、悪性腫瘍によるミネラル異常が挙げられます。

水の飲みすぎが気になったら?

多飲多尿が疑われるときは、まずは尿検査をしておしっこが異常に薄くないかを確認します。おしっこの濃さが薄く、多飲多尿と認められる場合は、原因追及のために血液検査や画像検査が必要になります。

多飲多尿は元気がないなどのわかりやすい体調不良を伴うことが少なく、また飲水量の測定がお家ではむずかしいこともあり、気づかれないことも多いです。飲水量がよくわからなくても、おしっこの色がいつもより薄くなっていることで気づかれる場合もあります。

多飲多尿に関わる疾患のなかには、元気そうに見えても稀に急死するリスクがあるものもあります。気になる方はお気軽にご相談ください。

その他の記事

  • 犬と猫の副腎腫瘍について解説 | よくお水を飲む、尿が薄くて多いは病気の初期症状かも!? ~治療編~

    こちらの記事では副腎腫瘍の症例での必要な治療について解説していきます。 副腎腫瘍の治療では大きく外科治療と内科治療に大きく分けられます。 それぞれの治療法を解説…

    4か月前
  • 胸腺腫摘出を実施した猫の1症例 | 実際の手術写真を用いて解説

    胸腺腫とは犬や猫で稀に発生する前縦隔腫瘍の一つです。 胸腺は若齢動物では発達していますが、基本的に成長とともに萎縮し小さくなります。胸腺腫では、この胸腺の上皮細胞が…

    2日前
  • 2022年の健康診断のまとめ

    季節が過ぎるのは早いもので、あっという間に新年度を迎えました。 今年もワンちゃんのフィラリアの検査・予防が始まる時期になりました。 当院ではフィラリアの予防を始…

    3年前
  • 犬の口臭の裏に潜むリスクとは?|考えられる原因と対策を解説

    愛犬の顔に近づいたとき、「いつもより口が臭うかも…」と感じたことはありませんか? こうしたニオイは単なる不快な症状ではなく、犬の体の中で起きている異常を知らせ…

    9か月前
  • 酸素中毒とは? | 酸素濃度は高ければいいわけではない!気を付けたい酸素中毒について

    皆さんは "酸素中毒" というものをご存じでしょうか。スキューバダイビングなどで酸素ボンベを使ったことがある方は耳にされたことがあるかもしれませんが、実は酸素にも中毒があ…

    3年前
  • 猫の盲腸腺癌

    猫の体重減少には様々な原因があります。甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病や腫瘍などが代表的な疾患です。特に、このような病気は急激に体調に変化をもたらすわけではなく、ゆっく…

    3年前
  • 犬アトピー性皮膚炎|病態について

    アトピー性皮膚炎とは、 「遺伝的素因を有した、痒みを伴うT細胞(炎症細胞の一種)を主体とした炎症性皮膚疾患」 と定義されています。 「遺伝的素因」を有して…

    1年前
  • 犬と猫の高カルシウム血症について

    普段血中のカルシウム濃度は厳密に調整されていますが、恒常性が破綻してしまうと高カルシウム血症が生じてしまいます。軽度の高カルシウム血症の場合は無症状のことが多く、偶発的に見…

    2年前
  • 尿管結石摘出術

      尿管結石は文字通り腎臓と膀胱をつなぐ『尿管』に結石が詰まってしまい、二次的に腎臓に損傷が生じる疾患です。片方の尿管に閉塞しただけでは主だった症状は認められませんが…

    2年前
  • 腹腔鏡下避妊手術

    開腹手術では上からの視点のみで、傷口を大きく開かない限り腹腔内をよく観察することは難しいです。 胆嚢や肝臓 膀胱 …

    2年前