- ホーム
- 症例
- 消化器の病気/総合診療科
- 「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!
「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!

こんにちは!最近は日ごとに気温があがり、夏の暑さが本格的に到来しつつあります。
私たちヒトと同じように、動物も暑くなるとのどが渇いてたくさん水を飲むようになります。のどが渇くのは体の水分不足を感知して脱水を防ぐための正常な反応です。
一方で、何らかの病気にかかったワンちゃん・ネコちゃんは病的にたくさん水を飲みたがることがあり、これを「多飲多尿」と言います。今回はこの「多飲多尿」についてのおはなしです。
多飲多尿とは?
その日の気温や活動量によって変化はあるものの、健康なワンちゃん・ネコちゃんが一日に飲む水の量は大体決まっています。
・ワンちゃんの場合は体重1㎏あたり100ml
・ネコちゃんの場合は体重1㎏あたり50ml
これを超える場合は多飲多尿という症状に当てはまり、病的に飲水量が増加している可能性が高くなります。たくさん水を飲むので、おしっこの回数や量も増えてきます。
多飲多尿の原因
多飲多尿がある場合、病気のせいでおしっこの量が増えていることがほとんどです。水分がおしっことしてたくさん出て行ってしまうので、それを補うために喉が渇き、水を飲む量が増えてしまいます。
ワンちゃんの場合、多飲多尿はホルモン疾患が隠れていることが多いです。代表的なものはクッシング症候群や糖尿病で、他にはアジソン病や尿崩症という病気も挙げられます。ホルモン疾患以外だと、腎臓病や子宮蓄膿症、肝不全、癌によるミネラル異常などがみつかることもあります。
ネコちゃんは水を飲まないことで膀胱炎などのおしっこのトラブルを起こすことがおおいので、飲水量や尿量が増えると安心する飼い主様もおおいのですが、中年齢以上のネコちゃんがたくさん水を飲むようになるのは病気の徴候の可能性が高いです。特に慢性腎臓病が多く、他には糖尿病や甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症、肝不全、泌尿器疾患、悪性腫瘍によるミネラル異常が挙げられます。
水の飲みすぎが気になったら?
多飲多尿が疑われるときは、まずは尿検査をしておしっこが異常に薄くないかを確認します。おしっこの濃さが薄く、多飲多尿と認められる場合は、原因追及のために血液検査や画像検査が必要になります。
多飲多尿は元気がないなどのわかりやすい体調不良を伴うことが少なく、また飲水量の測定がお家ではむずかしいこともあり、気づかれないことも多いです。飲水量がよくわからなくても、おしっこの色がいつもより薄くなっていることで気づかれる場合もあります。
多飲多尿に関わる疾患のなかには、元気そうに見えても稀に急死するリスクがあるものもあります。気になる方はお気軽にご相談ください。
その他の記事
-
心タンポナーデ
心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…
3年前 -
副腎皮質機能低下症(アジソン病)について解説 | 最近いつもより元気や食欲がないは病気のサインかも?
最近 ”少し元気がない"や"食欲がいつもよりない"などの症状が見られることはありませんか? 副腎の病気には機能が下がってしまう、副腎皮質機能低下症(アジソン病)とい…
9か月前
-
内視鏡で誤食した釣り針を摘出
釣り針を食べてしまったとの事で来院した7カ月のワンちゃん。 X線検査を実施すると胃の中に釣り針が・・・。 釣り針のような尖ったものは…
4年前 -
猫の乳腺腫瘍
猫の乳腺腫瘍は犬の乳腺腫瘍と比較して悪性度が高く、おおよそ80%が悪性の癌であると言われています。雌猫に発生する腫瘍のうち17%が乳腺腫瘍であり、比較的発生率の多い腫瘍で…
2年前 -
若い犬や猫に見られる皮膚糸状菌症(真菌感染症)とは?
皮膚糸状菌症とは、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビの仲間)による感染症であり、人にも感染するため人獣共通感染症とされています。猫ちゃんでは原因菌として20種ほどが報告されてい…
1年前 -
犬の口腔内無顆粒性悪性黒色腫
犬の口腔内腫瘍には悪性黒色腫、扁平上皮癌、線維肉腫など様々な種類の腫瘍が発生することが報告されています。この中でも悪性黒色腫は口腔内腫瘍の中で最も発生率の高い腫瘍とされ、半…
2年前 -
胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬
胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …
3年前 -
内視鏡 異物除去
内視鏡症例をご紹介いたします。 果物の種を飲み込んでしまったワンちゃんで内視鏡によって摘出を行いました。 異物、誤食の中で桃の種など果物の種は高確率に腸…
6年前 -
2026年 春の健康診断の結果をまとめました!
この春も多くのわんちゃん、ねこちゃんに健康診断をご利用いただき、ありがとうございました。健康診断は、見た目は元気でも隠れている病気や体の変化を早期に見つけるための大切な機会…
1週間前 -
リンパ節生検を実施した犬の小細胞性リンパ腫/慢性リンパ球性白血病(CLL)の症例
慢性リンパ球性白血病(CLL)は腫瘍化したリンパ系細胞が分化能を有しているために成熟リンパ球が増加する疾患で、腫瘍性病変の原発部位が骨髄である場合は慢性リンパ性白…
2年前
