ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2025年5月27日

「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!

こんにちは!最近は日ごとに気温があがり、夏の暑さが本格的に到来しつつあります。

私たちヒトと同じように、動物も暑くなるとのどが渇いてたくさん水を飲むようになります。のどが渇くのは体の水分不足を感知して脱水を防ぐための正常な反応です。

一方で、何らかの病気にかかったワンちゃん・ネコちゃんは病的にたくさん水を飲みたがることがあり、これを「多飲多尿」と言います。今回はこの「多飲多尿」についてのおはなしです。

多飲多尿とは?

その日の気温や活動量によって変化はあるものの、健康なワンちゃん・ネコちゃんが一日に飲む水の量は大体決まっています。
・ワンちゃんの場合は体重1㎏あたり100ml 
・ネコちゃんの場合は体重1㎏あたり50ml
これを超える場合は多飲多尿という症状に当てはまり、病的に飲水量が増加している可能性が高くなります。たくさん水を飲むので、おしっこの回数や量も増えてきます。

多飲多尿の原因

多飲多尿がある場合、病気のせいでおしっこの量が増えていることがほとんどです。水分がおしっことしてたくさん出て行ってしまうので、それを補うために喉が渇き、水を飲む量が増えてしまいます。

ワンちゃんの場合、多飲多尿はホルモン疾患が隠れていることが多いです。代表的なものはクッシング症候群や糖尿病で、他にはアジソン病や尿崩症という病気も挙げられます。ホルモン疾患以外だと、腎臓病や子宮蓄膿症、肝不全、癌によるミネラル異常などがみつかることもあります。

ネコちゃんは水を飲まないことで膀胱炎などのおしっこのトラブルを起こすことがおおいので、飲水量や尿量が増えると安心する飼い主様もおおいのですが、中年齢以上のネコちゃんがたくさん水を飲むようになるのは病気の徴候の可能性が高いです。特に慢性腎臓病が多く、他には糖尿病や甲状腺機能亢進症、子宮蓄膿症、肝不全、泌尿器疾患、悪性腫瘍によるミネラル異常が挙げられます。

水の飲みすぎが気になったら?

多飲多尿が疑われるときは、まずは尿検査をしておしっこが異常に薄くないかを確認します。おしっこの濃さが薄く、多飲多尿と認められる場合は、原因追及のために血液検査や画像検査が必要になります。

多飲多尿は元気がないなどのわかりやすい体調不良を伴うことが少なく、また飲水量の測定がお家ではむずかしいこともあり、気づかれないことも多いです。飲水量がよくわからなくても、おしっこの色がいつもより薄くなっていることで気づかれる場合もあります。

多飲多尿に関わる疾患のなかには、元気そうに見えても稀に急死するリスクがあるものもあります。気になる方はお気軽にご相談ください。

その他の記事

  • 副腎皮質機能低下症(アジソン病)について解説 | 最近いつもより元気や食欲がないは病気のサインかも?

    最近 ”少し元気がない"や"食欲がいつもよりない"などの症状が見られることはありませんか? 副腎の病気には機能が下がってしまう、副腎皮質機能低下症(アジソン病)とい…

    11か月前
  • 心タンポナーデ

     心タンポナーデとは心膜腔(心臓の外側)に液体(心嚢水)が貯留し、心臓を圧迫することで心臓の動きが制限され、機能不全を起こした状態です。全身に血液を送ることが出来なくなり、…

    3年前
  • 犬と猫の混合ワクチンについて | どれが家の子に合うの?

    コロナの影響によって”ワクチン”という言葉をよく耳にするかと思います。わんちゃん、ねこちゃんと一緒にいると、はがきなどによって混合ワクチンのお知らせが届くと思います…

    3年前
  • 糖尿病性ケトアシドーシス

    糖尿病性ケトアシドーシスとは内科エマージェンシーの1つであり、糖尿病が進行して発症します。発症メカニズムとしては、インスリン不足によりブドウ糖の細胞内への取り込みが減り、代…

    7年前
  • 泌尿器科

     泌尿器とは泌尿器とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道などからなる器官の総称で、血液をろ過して尿を作り、体内の水分や塩分のバランスを調整する働きをします。  高齢になると腎臓…

    3年前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    3年前
  • 犬の甲状腺機能低下症について | 元気がないや皮膚症状は甲状腺機能低下症の初期症状かも? ~治療編~

    こちらの記事では甲状腺機能低下症の治療について解説していきます。 正しく適切なホルモン補充療法とモニタリングが行われていれば予後良好なことが多いです。 甲状腺…

    9か月前
  • 胆嚢摘出術および総胆管ステント設置を実施した犬の1例

    胆嚢粘液嚢腫とは、胆嚢内に可動性の乏しい胆汁由来の粘液状物質が過剰に貯留した状態です。この粘液状物質が過剰に貯留してしまうと胆嚢拡張を起こしたり、胆汁の流れ出る通り道である…

    1年前
  • 猫の盲腸腺癌

    猫の体重減少には様々な原因があります。甲状腺機能亢進症や慢性腎不全、糖尿病や腫瘍などが代表的な疾患です。特に、このような病気は急激に体調に変化をもたらすわけではなく、ゆっく…

    4年前
  • 短頭種気道症候群

    短頭種気道症候群とは多くが先天性で、パグやフレンチブルドッグなど短頭種に生じる疾患の総称です。外鼻腔狭窄、軟口蓋過長症、気管低形成を先天的に生じ、持続的な気道抵抗の増加によ…

    3年前