ご予約はこちら
045-932-5151
2025年7月28日

熱中症

熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱がこもり、体温調節中枢機能が破綻することで高体温が持続し発症します。人間と同様に動物でも起こり、様々な臓器が障害を受け多臓器不全(循環不全、消化器障害、腎障害、脳障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)急性呼吸窮迫症候群(ARDS)など)となり、死亡することもあります。

  • 夏季の室内や車内など温熱環境下への長時間の滞在
  • 過度な運動
  • 肥満や呼吸器疾患、心疾患、痙攣発作などの基礎疾患により高体温となる

特に肥満犬や短頭種(フレンチブルドッグ、パグ、シーズーなど)は熱中症にかかりやすく注意が必要です

進行状態によって症状が異なります。

体を水で濡らしたり、濡れタオルをかけて送風し体温を下げます。ただし、保冷剤などで急激に体温を下げると末梢血管が収縮し、温度の高い血液が全身を循環することで状態を悪化させてしまうことがあり、注意が必要です。脱水に対し輸液を行い、臨床徴候に応じてそれぞれの治療を行います。重度の場合は、集中治療室での入院管理が必要になることもあります。

  • エアコンや扇風機などを使用し室内が高温にならないようにしましょう。室温は26℃以下が理想です。
  • お散歩や外出は涼しい時間に行い、適宜水分補給を行いましょう。
  • 締め切った車内に動物を放置しないようにしましょう。


熱中症は命に関わる病気です。日頃から熱中症にならないように予防し夏を乗り切りましょう!!

熱中症かも?と思ったら早めに来院して下さい。

その他の記事

  • 犬の椎間板ヘルニア

     椎間板ヘルニアは、犬において最も遭遇する頻度の高い神経疾患の一つです。椎間板は椎骨間(背骨と背骨の間)の緩衝材として存在しています。この椎間板が変性し、脊髄を圧迫すること…

    2年前
  • 新しい「がん」の血液検査:血中ヌクレオソームの測定

       獣医療の発展に伴いペットの長寿化は進んでいますが、その中でも死因の上位にあげられるのが悪性腫瘍、いわゆる「がん」です。特にワンちゃんの死因では「がん」が第1位に…

    10か月前
  • セカンドオピニオン

    セカンドオピニオンとは、現在受けている治療や診断に関して第二の意見を求めることを言います。 当院ではセカンドオピニオンで来られた患者さまに対してまず丁寧にお話を聞くこ…

    2年前
  • 犬の椎間板ヘルニア

     椎間板ヘルニアは、犬において最も遭遇する頻度の高い神経疾患の一つです。椎間板は椎骨間(背骨と背骨の間)の緩衝材として存在しています。この椎間板が変性し、脊髄を圧迫すること…

    2年前
  • 若い犬や猫に見られる皮膚糸状菌症(真菌感染症)とは

    皮膚糸状菌症とは、皮膚糸状菌と呼ばれる真菌(カビの仲間)による感染症であり、人にも感染するため人獣共通感染症とされています。猫ちゃんでは原因菌として20種ほどが報告されてい…

    3か月前
  • 犬・猫の去勢手術

    【去勢手術のタイミングは?】 去勢手術をするにあたって、この時期・この年齢に必ず受けないといけないというものはございません。しかし、子犬・子猫ちゃんの場合は、性成熟を…

    2年前
  • 「たくさん水を飲む」「たくさんおしっこする」は病気のサインかもしれません!

    こんにちは!最近は日ごとに気温があがり、夏の暑さが本格的に到来しつつあります。 私たちヒトと同じように、動物も暑くなるとのどが渇いてたくさん水を飲むようになり…

    4か月前
  • 腎瘻チューブの設置により尿管が疎通した腎盂腎炎の症例

    腎孟腎炎は腎孟および腎実質の炎症で,原因としてもっともよくみられるのは細菌感染です。 今回は腎盂腎炎に伴い尿管閉塞を起こした猫に対して、経皮的に腎瘻チューブを設置し、…

    3年前
  • 高悪性度消化器型リンパ腫を外科摘出後、抗がん剤を行なった猫

    消化器型リンパ腫は猫のリンパ腫のうち最も多くの割合を占めるものであるのと同時に、猫の消化管において最も発生率の高い腫瘍としても知られています。   症例 猫 雑…

    1年前
  • 発作重責・脳炎

    犬によく見られる特発性髄膜脳脊髄炎の一種で、多因性の疾患であり、明確な原因は不明です。臨床症状は大脳病変の部位によって異なり、発作や虚弱、旋回運動、視覚障害などを呈し、最終…

    6年前