ご予約はこちら
受診ご希望、獣医師の方 045-932-5151
企業、法人の方 090-6770-5244
2023年4月30日

紐状異物

紐状異物は危険な異物の一つで、特に猫に多く見られます。

消化管は食べ物を消化・吸収するために蠕動運動をしています。紐によって手繰り寄せられた消化管は、蠕動運動によって切り裂かれてしまい消化管穿孔を起こす可能性があります。

消化管裂孔を起こすと消化管の中の食渣や細菌がお腹の中に広がり、激しく炎症を起こして命を落とす危険性があります。

症例:猫、ペルシャ、去勢雄、発症時年齢1歳10か月

頻回嘔吐で来院。

身体検査・血液検査上は大きな異常なし。

エコーで消化管内に紐状異物の所見が見られ、開腹手術で摘出することになりました。

胃液が貯留した胃
紐状異物によって手繰り寄せられた消化管

麻酔導入後、舌根部に引っかかった糸を確認。開腹すると小腸まで糸がつながっていました。

舌に引っかかった紐状異物

糸を引っ張って取り出すのは非常に危険なので、小腸を5か所切開し、少しずつ糸を切断し取り出しました。

紐状異物によって手繰り寄せられた消化管
摘出された紐状異物

術後は元気食欲も元に戻り、無事回復してくれました。

今回の症例は、紐状異物が口から小腸までつながっていたにも関わらず消化管には大きな問題を起こさなかったので、非常に運の良いケースでした。

特に猫さんでは猫じゃらしで遊んでいる時に紐を飲み込んでしまうようなケースが非常に多いです。

診断→治療までを迅速に行うことが大切ですので、実際に飲んだかわからない場合も一度病院に来ていただき、検査をされることをお勧めいたします。

その他の記事

  • 犬と猫の慢性腎臓病(CKD)について解説 | 多尿や体重減少は慢性腎臓病の初期症状かもしれません!

    最近 "おしっこの量が増えた" や "体重が減ってきた" などが認められることはありませんか? もしかしたら、それは慢性腎臓病の初期症状かもしれません。 慢性…

    10か月前
  • 鼻梁にできた多小葉性骨腫瘍

    多小葉性骨腫瘍は犬の頭蓋骨にできることの多い骨の腫瘍です。局所で拡大し脳を圧迫することで神経症状を示すことも少なくありません。今回は鼻梁部(鼻と頭蓋骨の間)にできた多小葉性…

    3年前
  • 肋間開胸術による犬の肺腫瘍切除

    今回は他院にてレントゲン撮影をした際に肺腫瘍が見つかり、セカンドオピニオンとして当院を受診し、CT検査及び肺葉切除によって腫瘍を摘出した一例を紹介します。 a …

    2年前
  • 短頭種気道症候群

    短頭種気道症候群とは多くが先天性で、パグやフレンチブルドッグなど短頭種に生じる疾患の総称です。外鼻腔狭窄、軟口蓋過長症、気管低形成を先天的に生じ、持続的な気道抵抗の増加によ…

    3年前
  • 熱中症

    熱中症とは? 熱中症は高温多湿環境下や過度な運動によって、体内に熱が…

    1年前
  • 新しい「がん」の血液検査:血中ヌクレオソームの測定

       獣医療の発展に伴いペットの長寿化は進んでいますが、その中でも死因の上位にあげられるのが悪性腫瘍、いわゆる「がん」です。特にワンちゃんの死因では「がん」が第1位に…

    2年前
  • 犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)

    犬の弁膜症:僧帽弁閉鎖不全症(MMVD)   僧帽弁閉鎖不全症(以下 MMVD)は犬の心臓病の代表的な疾患です。犬の心臓の構造は人と類似しており、2心房2心室で…

    3年前
  • そのガーガー音 “気管虚脱” かもしれません

    呼吸をするときに " ガーガー " とガチョウが鳴くような異常な呼吸音がする時はありませんか?その異常な呼吸はもしかしたら気管虚脱かもしれません。気管虚脱は特に小型犬に多…

    2か月前
  • 胆嚢破裂を起こした胆嚢粘液嚢腫の犬

    胆嚢粘液嚢腫は犬の代表的な緊急疾患の一つです。以前にも当院で胆嚢摘出術は数例行っておりますが、今回は胆嚢が合破裂し胆嚢内要物が腹腔内に播種した症例をご報告いたします。 …

    4年前
  • 当院での避妊手術について、詳しい手術方法を解説します

     皆さんが飼われているペットさんは避妊手術・去勢手術はされましたか?今回は当院での避妊手術について紹介したいと思います。  当院での避妊手術は「子宮卵巣摘出術」を採用…

    3年前